Nightmare Game ～炎雷煌めく血塗れ回廊～ (ページ16)

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緊張感が行方不明ページ16

｢…全っ然ゴール見えねぇ…｣

あれから何時間走り続けているだろうか。

どこにあるかもわからないゴールを目指し、ひた走るマールド。

ほんの少しだけ額に汗を浮かべつつも走り続ける。

｢キッツ…体力持つかな…｣

やや不安を抱えつつも、その目に見えぬ遥か後方にいる化け物からは絶対逃げ切れるという確信の元、マールドの足は進んでいく。

｢…普通ならとっくに頭おかしくなってんだろうなぁ…｣

しかし生憎マールドの頭はもう普通ではない。

あれほどの混沌を前に、精神が異常なまでに頑健になったのだ。

…最も、本人の強さはそれほど変わらないし、胃痛は相変わらずあるのだが。

｢…まだかなぁ…｣

まだまだ遠いゴールを目指し、遠い目をしながら走るのであった…

――――――――――

一方、先頭集団にて。

｢捕まえてェ!｣
｢あっクソッ！ミスれミスれミス…ア”－ッ!死ねぇ！｣
｢わぁー十割ー｣
｢小足見てからガーキャン掴み余裕でした｣
｢ぐぁ…(何やってんだこいつら…)｣

いやホントに何やってんの???

全く…マールドが一人真面目に走る一方でさ…

格ゲーやってるよこいつら

巧、月、猫。

ゲーマー三人が集えばそりゃこうなる。うん。

｢クソ…だから格ゲーは嫌いなんだ…絶対次即死決めてやる…｣
｢がんば｣
｢おうおうやってみろー？｣

悔しがる月、応援する猫、煽る巧。

｢…ぐぅ…(どうしてこうなったの…)｣
｢知らねぇよカス｣
｢巧がいきなり来たからでしょ｣
｢おうそうだな｣
｢…がぁ…(緊張感仕事して…)｣

…ごめん、ホントごめん…()