Nightmare Game ～炎雷煌めく血塗れ回廊～ (ページ13)

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一方その頃～ページ13

さて、時間は少し巻き戻ってマールドと巧が飛んだ直前。

フレアは一匹坂を下り、一旦ある部屋へと入った。

『…なんだこれ』

中にはざっと十人ほどの人間がいる。

どうやら部屋に一度入ったら出られない仕組みらしく、脱出する方法はありそうだが…

『ん、あれか』

部屋の壁に灯るスクリーン。
そこに書かれていたのは。

誰か一人犠牲にならないと出られない部屋

と、そう書かれていた。

良く見渡せば、成程中に凶器の詰まった檻が口を開いて生贄を待っているではないか。

『…あれにぶち込んで殺せ、と…いい気はしないな』

冷静に周囲の人間を観察する中、一人の少女が男性へと近づいた。

少女は泣いており、いかにも怖そうにしている。
一見すればただのか弱い少女だろう。

…その目に煌めく微かな悪意を除けば。

すっかり鼻の下を伸ばした男性が照れながらも少女を庇う。

彼女はどうやら檻が気になるらしく、少しずつ近づいていく。

そして。

『…あー…殺っちゃったか』

彼女のやったことは特段おかしいことはない。
ただの0距離ノーモーションタックルだ。
しかしその動きには一切の躊躇も迷いも無く、彼女が殺しに慣れていることは一目でわかる。
そして。

｢あ…そんな…｣

顔を抑え、泣き崩れる彼女を、フレアは見逃さなかった。
彼女の顔が、快楽で酷く歪んでいたことを。
彼女を庇った、彼女の知り合いと思しき一人の女性を除き、フレアただ一人だけがそれに気が付いていた。

…ドアが開く。

再び走り出せば、背後からは狙ったように化け物が走ってくる。

『…やけに出来過ぎてるな…』

僅かな違和感に、フレアは目敏く反応したのだった。

一匹は、軍団の中ぐんぐん加速して走っていく。

多分先にいるであろう彼ら(月/猫)目指して。

ずっと先に進んだところにあるだろう、まだ見ぬゴール目掛けて。

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