6,帰路 ページ9
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「今日も、充実してたなー」
「そうだな。」
「人使い荒いよね、男子って。」
「お前を頼りにしてるってこと、だろ。」
「そう?」
そうだといいな、なんて思いながら、
ホッと息を吐き出した。
途端、和典がぽつりと零す。
「…用事なんて、ねーんだけどな。」
苦しい響き。
歪められた頬。
ぼんやりした瞳。
その言葉に、私は素直に返した。
「知ってるよ。」
「え…。」
驚いたように、足を止めた和典。
私は、彼の目の前に周り、
その目をまっすぐに見つめた。
「何年、近くにいると思ってんの。」
小学生の頃から、一緒でしょ?
「和典が何を思ってるかとか、
そこまでは分からないけど…
それでも、分かりたいとは思ってるよ。」
「っ。」
「ま、あんたが言いたくないなら、
言う必要はない。
でも、これだけは知ってて。
私、若武ほどガキじゃないからね。」
ふわりと微笑み、和典を見る。
「1人でため込むのは、なしだよ、和典。」
「………ん。」
約束、と指をつきだした。
クルリと巻き付けられた、細長い指。
「約束、な。」
眼鏡の奥の瞳が、優しかった。
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エイミー - 杏花莉さん» 「消えた美少女は知っている」にアクセスが許可できません・・・ということなので、ログインしていないものから返信させて頂きます・・・。伝わりましたか!良かったです♪私も上杉くん大好きです!コメントありがとうございました! (2016年12月26日 9時) (レス) id: 6aadb72d51 (このIDを非表示/違反報告)
エイミー - なーさん» 「消えた美少女は知っている」にアクセスが許可できません・・・ということなので、ログインしていないものから返信させて頂きます・・・。ありがとうございます!頑張ります♪ (2016年12月26日 9時) (レス) id: 6aadb72d51 (このIDを非表示/違反報告)
杏花莉 - 花鈴ちゃんの切ない気持ちがこっちにまで伝わってきました!番外編で上杉君と両想いになれたときはホッとしました!ちなみに私は上杉君推しです! (2016年8月3日 0時) (レス) id: 154f442b08 (このIDを非表示/違反報告)
なー - とても面白かったです!これからも頑張って下さい!絶対見ます(*^^*ゞ (2016年6月21日 21時) (レス) id: 20b5ed2b90 (このIDを非表示/違反報告)
エイミー(プロフ) - えいみさん、ありがとうございます☆KZ、面白いですよね♪私は俄然、上杉くん押しです(笑)これからよろしくお願いします! (2015年12月30日 13時) (レス) id: c472ba4c17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エイミー x他1人 | 作成日時:2015年12月7日 22時