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「あーもう泣くなや…ぶっさいくになるやんけ。」



くいっと涙を拭いてくれる侑は、やっぱり優しくて胸が温かく心地良い。


『やって、…侑人格ポンコツやん…急に優しなって怖い……』


「おい誰がポンコツや、サムか?サムが言うたんか?」



きゅっと頬っぺを抓られる。痛いわこら。



『いひゃい、あひゅむ…』


「ならはよ泣きやめ。」



前言撤回。優しくなかったわ、やっぱ人格ポンコツこいつ。



『わかっとるわ。』


「え!?こわ!!一瞬で泣き止んだし!?北さんか!!」




北さん、その言葉にきゅっと胸が締まる。


『き、北さん……?』


「いやほんまに…今のは北さんにしか見えんかった……ってA?」



あれ、何でやろ。急に心臓バクバク鳴ってきた。




『な、何もあらへん。これで解決したんやから、帰んで。』


「えぇ〜…切り替えの速さ何なん……北さんやん…」


『やから北さん北さんやかましいわ!!』



侑の脇腹を叩くと、ふげっとアホみたいな声を出した。


「理不尽!!」


『知るか!』



あーでも何やろ。


何や心がえらい軽くなった気分や。


もしかしたら、な…



『侑、』


「何やねん。」



『やっぱうちバレー嫌いになられへんみたいやわ。』




そう言うと、あっと何か思い出したかのように侑はエナメルバックからガサガサと何かを探し始める。



「手出せ。」



『……!何で、』




手に乗ったのは、捨てたはずのバボちゃんのストラップ。


何で、侑が持っとったん?



「……べ、別に心配で持ってたわけやないからな。」


『……!ありがとぉ。』




目を合わせなかったけど、きっと今


私と侑は笑っていた。





.




「よりによって何でツムやねん…」



「は!?見つけただけ感謝せぇや!!」



体育館に戻ると、早速侑と治の喧嘩が始まった。



『治、その…私が悪かったんやしええよ、』


「せや!お前につべこべ言われる筋合いなんかあらへんわ!!」


「今までごにょごにょしとったやつが何言うてんねん。」


これは止められそうにないな…。




「A。」


『!き、北さん……』


「ちゃんと見とる人おったやろ?」


『…も、もしかして北さん、』



知っとったん……?


北さんはフッと微笑んで直ぐにスンッと笑みが消えて双子に話しかける。



「侑、治。」


すると2人はぴくっと止まった直後、だらだらと汗をかき始めた。


マジで2人とも北さん怖いと思っとるんや…。






.

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さっちゃん - めっちゃ面白かった!なんかもう、言葉にならない…。感動😭 (4月24日 20時) (レス) @page50 id: c5a0fb1f72 (このIDを非表示/違反報告)
さつむいも - めっちゃ面白かったです!感動して泣きかけました...!神作を有難うございました!! (4月20日 18時) (レス) @page50 id: 29094487c6 (このIDを非表示/違反報告)
こめつぶ(プロフ) - めっちゃ神作でした…!!!親と兄弟が目の前にいるのに何度も涙出そうになって、めっちゃ堪えました。本当に素敵な作品、ありがとうございます!!!!多分これからもリピートさせていただくと思います!!(() (4月8日 16時) (レス) @page50 id: e94f7d2b88 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ - 神作ッ!!!主様天才すぎます。3周目に突入したのに涙が... (4月4日 0時) (レス) @page47 id: d24603059d (このIDを非表示/違反報告)
赤羽 - なるほどなぁ、、神、 (4月3日 1時) (レス) @page50 id: b22b7ccd76 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:にろ | 作成日時:2020年5月17日 14時

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