33 ページ35
侑side
とある休憩の時間。知らん後輩が体育館にやってきて、俺とサムを呼んだ。何故か北さんも。
あ、そっか北さんとA、喋ったことあんのやった…
話を聞いたところ、Aの仲良え友達らしい。早苗ちゃんと渚ちゃん。
「電話しても全然でーへんのです。着信拒否とかやなくて…」
「放課後呼び出されとったんは聞いたんですけど、あいつ1人で行くゆーて…ほんまにすんません。うちらが一緒に行っとったら…」
どうやらAは、知らんやつに放課後呼び出されとったそうで。
2人とも部活があるから大丈夫と、断られたらしい。
「心配で部活終わったら真っ先に電話しよってお互いかけたんですけど、」
「宮先輩と北先輩は何や知りませんか?」
慌てて部室に走って電話をかける。が、やはり出ない。
「あかん、でーへん…」
「俺もあかん、」
「こっちもでーへんなぁ。」
「うちら、A探してみます。先輩らは大会近いし練習に戻ってください。」
「何かあったらまた体育館くるんで!」
正直Aとはここ最近喋っとらん。いや、俺が一方的に避けとるってのもあるけど…
「ツム、…」
それでも実の妹やで。大事な家族やもん。心配くらいするわ。
俺は休憩時間ギリギリまで、飲み物も飲まんとAに電話をかけ続けた。
.
「すみません、やっぱ見つからんかったです…」
「靴箱見たらまだ学校おるみたいやし、あぁもうマジでどこ行ったんあいつ!!」
「ええよ、ありがとぉな。あとは俺らで探してみるわ。暗いから気をつけて帰り。」
まだ見つかっとらんのか。
保健室とか?せやったらすぐわかるよな…教室やったら尚更や。
「ツム、どうする?ある程度探してはくれたけど…」
「……行ってくる。」
「侑、どこにおるかわかるん?」
「何となく、わかる気もせんくはない…です、」
「……まぁ、お前のそういうの当たらんくはないからな。ついでにちゃんとAと話してきぃや。」
北さんはほんまに何でもお見通しやなぁ…
正直、ほんまにおる確信はない。
そもそも呼び出されてどれだけ時間が経った?
ずっとそこにおるかどうかもわからん。
やけど、きっとあいつは1人で静かに泣いとるはずや。
お前には謝らなあかんことが沢山ある。
ちゃんと話さへんと
「…はぁ、やっと、見つけた。」
な、A。
.
4222人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さっちゃん - めっちゃ面白かった!なんかもう、言葉にならない…。感動😭 (4月24日 20時) (レス) @page50 id: c5a0fb1f72 (このIDを非表示/違反報告)
さつむいも - めっちゃ面白かったです!感動して泣きかけました...!神作を有難うございました!! (4月20日 18時) (レス) @page50 id: 29094487c6 (このIDを非表示/違反報告)
こめつぶ(プロフ) - めっちゃ神作でした…!!!親と兄弟が目の前にいるのに何度も涙出そうになって、めっちゃ堪えました。本当に素敵な作品、ありがとうございます!!!!多分これからもリピートさせていただくと思います!!(() (4月8日 16時) (レス) @page50 id: e94f7d2b88 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ - 神作ッ!!!主様天才すぎます。3周目に突入したのに涙が... (4月4日 0時) (レス) @page47 id: d24603059d (このIDを非表示/違反報告)
赤羽 - なるほどなぁ、、神、 (4月3日 1時) (レス) @page50 id: b22b7ccd76 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:にろ | 作成日時:2020年5月17日 14時