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あれから侑に話しかけた
わけではなく、それからはや数週間が経とうとしていた。
何て話せばいいか私にはまだわからんくて。
インハイも近くなって2人とも帰ってくるのが遅いから、北さんとは連絡もとってない。
きっと疲れとるし、向こうから連絡来たら返すようにした。
『うーん……』
治とも話していたけどマジで何があった。部活ではいつも通り煩いって治は言うてたけど…
そんなことを思いながら、靴箱の扉を開けると何やら紙が入っていた。
『……うげ、』
"今日の放課後屋上前の階段に来てください。"
『……名前くらい書いてくれんと、行きたくないんよなぁ。』
頭をガシガシとかきながら、思わず顔を顰める。
『(流石に告白には思えないし、調子乗んなって言われるんかな……あーあー嫌だなぁ。)』
ブレザーのポケットに紙を入れ、私は重い足取りで教室に向かった。
.
「え、それ絶対まずいやつやん行かん方がええて。」
『渚ちゃんもそう思う?』
「名前書いとらん時点でちょっと怪しいよなぁ。」
昼休み。早苗ちゃんと渚ちゃんに紙を見せると、2人は嫌そうな顔をした。
「そもそも用があるなら、直接教室来いって思うわ。」
「渚ちゃんに関してはまず話しかけにいくのも怖いやろ。」
「えっ?うちってそんな怖い?」
渚ちゃんは正直怒らせると命はないと思っておくべきである。
1年の時、罰ゲームやったんか遊び半分で知らん先輩に告白されてその人背負い投げしたとかどうとか。
『んー…正直兄貴絡みだとは思うんやけど、』
「うわぁ、それは嫌だね。」
「うちらもついて行った方がええんとちゃうか?」
『嬉しいけど、うち1人で行くわ。』
2人は部活あるからね。
そう言うと、2人は何かあったらすぐに言うてねと心配された。
まじ2人良い子……。
.
『来たのにおらんやん。』
例の場所に来てから10分経過。
もしかしていたずら…?それならそれで良いんだけど。
「あー!ごめんね、ショート長引いちゃって…」
『は、はぁ…』
やって来たのは4人の女子生徒。
ネクタイの色で先輩だとわかった。きっと2年…
「あのな、単刀直入やねんけど…」
「侑くんと治くんの連絡先知りたいねん!」
『あぁ…』
何となく察しはついてたけど、こうもド直球に言われると気が重い。
心の中で私は盛大にため息をついた。
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さっちゃん - めっちゃ面白かった!なんかもう、言葉にならない…。感動😭 (4月24日 20時) (レス) @page50 id: c5a0fb1f72 (このIDを非表示/違反報告)
さつむいも - めっちゃ面白かったです!感動して泣きかけました...!神作を有難うございました!! (4月20日 18時) (レス) @page50 id: 29094487c6 (このIDを非表示/違反報告)
こめつぶ(プロフ) - めっちゃ神作でした…!!!親と兄弟が目の前にいるのに何度も涙出そうになって、めっちゃ堪えました。本当に素敵な作品、ありがとうございます!!!!多分これからもリピートさせていただくと思います!!(() (4月8日 16時) (レス) @page50 id: e94f7d2b88 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ - 神作ッ!!!主様天才すぎます。3周目に突入したのに涙が... (4月4日 0時) (レス) @page47 id: d24603059d (このIDを非表示/違反報告)
赤羽 - なるほどなぁ、、神、 (4月3日 1時) (レス) @page50 id: b22b7ccd76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にろ | 作成日時:2020年5月17日 14時