検索窓
今日:16 hit、昨日:627 hit、合計:2,270,283 hit

13 ページ15

お婆ちゃんのご飯は本当に美味しくて、ついおかわりをしてしまった。


北さんには「治みたいに美味そうに飯食うな。」って言われて、ちょっと胸がこしょばかった。




『はい、お婆ちゃん。』


「ありがとぉな。わざわざお皿も洗ってくれて、Aちゃんええ子やね。」


『そんな…こんなん普通ですよ。』



丁寧に洗ったお皿をお婆ちゃんに渡して、受け取ったお皿をお婆ちゃんが丁寧に拭く。

その間北さんは、ちゃぶ台を拭いていた。



「Aちゃん、誰かが見とるよ。」



『えっ、…?』



「神さんはそこらじゅうに居るからな。」



『神さんって…神様のことですか?』



「そう。誰かが見とるんよ。信ちゃんのことも、Aちゃんのことも。」





お婆ちゃんは優しい笑みを浮かべながら、私を見上げる。


北さんの笑う顔、ちょっとお婆ちゃんに似とるなぁ。




『誰かが……』


コップに水を注いで、洗剤をつけた。

やけに水の音がよく聞こえた気がした。




.




『ほんまに今日はありがとうございました。ご馳走様です。』


「また来てなぁ。いつでも待っとるよ。」


「ほなちょっと送ってくるわ。」



お婆ちゃんはわざわざ、外まで出てくれて私を見送ってくれた。

優しいお婆ちゃんや。




『そういえば、北さんさっき婆ちゃんの話し相手にって言うてはりましたよね?』



「あぁ、土日も俺は基本朝から夕方まで部活あるから、婆ちゃん殆ど1人で家おんねん。


うちんとこ両親転勤で帰ってくんのも月に数回やから、婆ちゃん寂しい思て。」



なるほど。そういうことやったんか。

それにしても、婆ちゃん思いで北さんええ子やなぁ。


「何や子供扱いされた気分やわ。」


『えっ!?声出てました?』


「顔に書いてあったで。」


ふはっと笑う北さんに、胸が跳ねる。


北さんの笑い方ってたくさんあるよなぁ。




『私は全然構いませんけど、迷惑やないですか…?

赤の他人やのに逆に申し訳ないです。』



「今日A初めて来たからわからんかったけど、婆ちゃんめっちゃ喜んどってん。


また来てくれへんかなって言うとったし。」



『ほ、本当ですか…!?ほなお邪魔しよかな…また連絡しま……あれ、』



「そういえば連絡先交換しとらんかったな。」




ズボンのポケットからスマホを出す北さん。

ガラケーかと思ったけどスマホなん可愛いな。


無事に交換もできて、丁寧に家の電話番号も送ってくれたのは北さんらしいなと思った。

14→←12



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (3062 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
4222人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

さっちゃん - めっちゃ面白かった!なんかもう、言葉にならない…。感動😭 (4月24日 20時) (レス) @page50 id: c5a0fb1f72 (このIDを非表示/違反報告)
さつむいも - めっちゃ面白かったです!感動して泣きかけました...!神作を有難うございました!! (4月20日 18時) (レス) @page50 id: 29094487c6 (このIDを非表示/違反報告)
こめつぶ(プロフ) - めっちゃ神作でした…!!!親と兄弟が目の前にいるのに何度も涙出そうになって、めっちゃ堪えました。本当に素敵な作品、ありがとうございます!!!!多分これからもリピートさせていただくと思います!!(() (4月8日 16時) (レス) @page50 id: e94f7d2b88 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ - 神作ッ!!!主様天才すぎます。3周目に突入したのに涙が... (4月4日 0時) (レス) @page47 id: d24603059d (このIDを非表示/違反報告)
赤羽 - なるほどなぁ、、神、 (4月3日 1時) (レス) @page50 id: b22b7ccd76 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:にろ | 作成日時:2020年5月17日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。