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お婆ちゃんのご飯は本当に美味しくて、ついおかわりをしてしまった。
北さんには「治みたいに美味そうに飯食うな。」って言われて、ちょっと胸がこしょばかった。
『はい、お婆ちゃん。』
「ありがとぉな。わざわざお皿も洗ってくれて、Aちゃんええ子やね。」
『そんな…こんなん普通ですよ。』
丁寧に洗ったお皿をお婆ちゃんに渡して、受け取ったお皿をお婆ちゃんが丁寧に拭く。
その間北さんは、ちゃぶ台を拭いていた。
「Aちゃん、誰かが見とるよ。」
『えっ、…?』
「神さんはそこらじゅうに居るからな。」
『神さんって…神様のことですか?』
「そう。誰かが見とるんよ。信ちゃんのことも、Aちゃんのことも。」
お婆ちゃんは優しい笑みを浮かべながら、私を見上げる。
北さんの笑う顔、ちょっとお婆ちゃんに似とるなぁ。
『誰かが……』
コップに水を注いで、洗剤をつけた。
やけに水の音がよく聞こえた気がした。
.
『ほんまに今日はありがとうございました。ご馳走様です。』
「また来てなぁ。いつでも待っとるよ。」
「ほなちょっと送ってくるわ。」
お婆ちゃんはわざわざ、外まで出てくれて私を見送ってくれた。
優しいお婆ちゃんや。
『そういえば、北さんさっき婆ちゃんの話し相手にって言うてはりましたよね?』
「あぁ、土日も俺は基本朝から夕方まで部活あるから、婆ちゃん殆ど1人で家おんねん。
うちんとこ両親転勤で帰ってくんのも月に数回やから、婆ちゃん寂しい思て。」
なるほど。そういうことやったんか。
それにしても、婆ちゃん思いで北さんええ子やなぁ。
「何や子供扱いされた気分やわ。」
『えっ!?声出てました?』
「顔に書いてあったで。」
ふはっと笑う北さんに、胸が跳ねる。
北さんの笑い方ってたくさんあるよなぁ。
『私は全然構いませんけど、迷惑やないですか…?
赤の他人やのに逆に申し訳ないです。』
「今日A初めて来たからわからんかったけど、婆ちゃんめっちゃ喜んどってん。
また来てくれへんかなって言うとったし。」
『ほ、本当ですか…!?ほなお邪魔しよかな…また連絡しま……あれ、』
「そういえば連絡先交換しとらんかったな。」
ズボンのポケットからスマホを出す北さん。
ガラケーかと思ったけどスマホなん可愛いな。
無事に交換もできて、丁寧に家の電話番号も送ってくれたのは北さんらしいなと思った。
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さっちゃん - めっちゃ面白かった!なんかもう、言葉にならない…。感動😭 (4月24日 20時) (レス) @page50 id: c5a0fb1f72 (このIDを非表示/違反報告)
さつむいも - めっちゃ面白かったです!感動して泣きかけました...!神作を有難うございました!! (4月20日 18時) (レス) @page50 id: 29094487c6 (このIDを非表示/違反報告)
こめつぶ(プロフ) - めっちゃ神作でした…!!!親と兄弟が目の前にいるのに何度も涙出そうになって、めっちゃ堪えました。本当に素敵な作品、ありがとうございます!!!!多分これからもリピートさせていただくと思います!!(() (4月8日 16時) (レス) @page50 id: e94f7d2b88 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ - 神作ッ!!!主様天才すぎます。3周目に突入したのに涙が... (4月4日 0時) (レス) @page47 id: d24603059d (このIDを非表示/違反報告)
赤羽 - なるほどなぁ、、神、 (4月3日 1時) (レス) @page50 id: b22b7ccd76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にろ | 作成日時:2020年5月17日 14時