【HQ】ウブと乙女 【角名 倫太郎】

来たれアトラクション ページ37

角名side



予想通り、電車は結構混んでて俺とAは完全に密着状態になっている。

それプラス幸運にも、誰かに当たったのかAが俺の方に抱きつく形で距離はほぼゼロ。



(やばい、鼻血出そう…)


必死に理性を抑えながら、Aに笑いかける。



「Aって意外と大胆だよね。」


『！？ち、ちがっ…！』


「ふふ、冗談だよ。」



待って本当に可愛い。普段見慣れている制服とは違って、初めて見るAの私服姿。

いくらパーカーとはいえ首筋がいつもよりもよく見えてえr、ﾝ"ﾝ"ｯ可愛い。



『………ッ、』


ちらっとAの方を見ると、何か拗ねているような表情を浮かべている。



「A？もしかして怒ってる、？」


『えっ！？全然！あれ、私もしかして何か顔に出てた…？』


「うーんちょっとだけ？何か悩んでるような顔してた。」


『うそっ…ご、ごめんね…。』


「何かあったら相談のるよ？」


『ありがとう…で、でもこれは何か自分で何とかしなきゃいけない気がする…から大丈夫！』


ふんっと気合いを入れ直したかのように、キリッと表情が明るくなる。




「はは、Aらしいや。でも何かあった時は本当に言ってね？」


『えっ！？う、うん！ありがとう！』



はぁぁ、何その笑顔。

その顔侑たちにも見せてるって考えたら何か腹立ってきた。



『そういう倫太郎くんも、眉間に皺寄せてるけど大丈夫…？』


「えっ、嘘。」


『本当だよ〜。倫太郎くんも何か悩み事あったら遠慮なく言ってね？私聞くから！』


「う、うん。ありがとう…」



何だろう、気がつけばカウンター喰らったような気分だった。




(あいつら電車ん中ってことわかっとるんかな…)


(周りの人めっちゃ微笑んどるで…)


(くたばれリア充。)


(それ侑が言う台詞ちゃうやろ…)




.







「来た！！！！！」


「平日でも人多いけど…今日大分少ないんじゃない？」


「たくさん廻れるやん！ラッキー！」


「俺まずチュロス食べたい…！」



おぉぉ…


やっぱりでかい…！！！


他の人と比べて滅多に行かない私は、大きなアトラクションを見ては目をぱちぱちさせてしまう。



「むっちゃんはもしかして初めてなん？」


『小学生の頃1度だけ…！』


「ほな今日たくさん廻らんとな！」


「その前にあれ付けよーや。」


『あれ？』


治くんが指さしたのは、キャラクターの付いたカチューシャをつけてる小学生たちだった。

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