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近距離 ページ25

放課後もマネージャーの仕事を何とかこなせた。

帰り、皆と別れてそれぞれ行先のバス停へ向かいバスに乗ろうとしたら、後ろから倫太郎くんに声をかけられた。



「A、暗いし送ってく。」


『えっ!?そんなそんな…いいよ申し訳ないし、倫太郎くん疲れてるのに…』


「俺も同じ方面だし、送りたいの。」


『で、でも…』


「俺迷惑?」


『寧ろ嬉しいデス!!』



ならばよし、と勝ち誇った顔をする倫太郎くん。

バスに乗ると、比較的人が少なく2人がけの席が空いていたので、倫太郎くんと座る。


倫太郎くんと……



『えっっ!??』


「こら、声大きい。」


周りの人がびっくりして私を見たので、慌ててすみませんと謝る。だけど顔の熱はおさまらない。



『……???』



待って今倫太郎くんと一緒に帰ってる…??


そして自然に隣同士座ってる…??


いつもと距離が格段に近い。


いや確かに好きな人と帰るのって高校生らしくて青春だなぁとは考えたことはあるよ?いやむしろほぼ毎日考えてるけどね??


でもいざ急にこんなことが起きたら、さすがに緊張しないわけがない。


私の心臓は激しくドクドクとうるさい。



『あのっ、り、りんたろく…』




緊張に耐えきれずに彼の方を向く瞬間、肩に重さがかかる。


彼はすぅすぅと規則正しく寝ていた。




(待って待って待って待って待って待っ)


倫太郎くんの寝顔がドアップで映る。まつ毛綺麗だなぁ…

きゅっと閉じている唇は少しだけ幼く可愛く見える。


(ホントに待って、心臓うるさすぎ…ッ…)


自分だけこんなにパニクって恥ずかしい。

そこで、ふと思った。



(倫太郎くんは、私のことどう思ってるのかな…。)


今思えばこんなに倫太郎くんのことが好きなのに、告白どころか連絡先も結局聞けずに何もない。


正直LINEもしてみたいなんて常に思ってはいる。

だけど迷惑って言われた時が怖くて聞けないのだ。


彼は他の人にもこんなに優しく接しているのだろうか。

きっとそうだ。こんな私と仲良くしてくれるんだもの。


でも、少しだけ我儘を言ったらダメかな。




『…LINE、交換したいです…』


なんて寝ている彼に向かってこそっと言葉を零した。


(寝ている時に言ったって意味ないじゃん、)


つくづく自分はバカで臆病者だなぁ、と呆れてしまう。


そして段々重くなる瞼に抵抗できず、そのまま眠りについてしまった。







倫太郎くんが狸寝入りしてたなんて気づく余裕もなかった。

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麻呂ましゅ(プロフ) - 宮侑イケメン過ぎて今度は侑の小説見たくなっちゃったー( ߹꒳​߹ ) (11月15日 7時) (レス) @page47 id: e05060289a (このIDを非表示/違反報告)
なっちち(プロフ) - 久々にキュンキュンきました(*´ω`*) (2021年2月7日 4時) (レス) id: 5d60cec675 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - 気づいたらニマニマしてました……とても良い作品ですね(*´ `) (2020年5月18日 22時) (レス) id: 5054bb840e (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ - 可愛すぎるってぇぇぇぇ!やばい!讀みながらひとりで騒いでたわ (2020年4月12日 16時) (レス) id: 767cede04a (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 更新お疲れ様です!続きがすごく楽しみです!!応援してます!! (2020年4月7日 1時) (レス) id: f894f75d5c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:にろ | 作成日時:2020年3月11日 10時

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