お返し ページ19
角名side
授業が終わり、放課後。
Aの教科書を返しに隣の教室へやって来た。
「あ、いた…A……」
Aの姿を発見し声をかけようとしたが、思わず口を閉じる。
『ごめん宮くんに聞いたのが間違いやったわ。』
「どういう意味やねん。」
そっか。今A、侑の後ろの席なんだ…
何やら周りに聞かれたくないのか、こそこそと話しているから地味に距離が近い。
侑にしては珍しくケラケラ笑ってる。女子苦手なはずなのに…
一方Aは、時には顔を赤くして侑を睨んでいた。
「………ッ、」
いやいや、何を戸惑っているんだ。2人が話すくらいいつものことだろ。
そう自分に言い聞かせるが、胸の奥がどろっと気持ち悪い。気持ち悪いし苦しい。
「おーい、Aー。」
2人が俺の方を向くと、Aはぼんっと湯気が立つように顔を赤くして俺の方へやって来た。
侑はと言うと、俺をニヤニヤと見てくる。彼に苛立ちを込めて睨むと、Aが俺の顔を覗いてきた。
『角名くん、ど、どうかした…？』
「えっ、」
はっと我に返ると、Aが恥ずかしながらも心配そうにこちらを伺う。
『あっ！いや、何か顔色悪かったっていうか…あ！いや決して顔が悪いとかじゃなくて…』
「ッ、大丈夫。あの、これ教科書ありがとう。助かった。」
『えっ！？あ、……ハイ、ヨカッタデス…、』
だんだん声が小さくなると共に、俺から目を逸らし下を俯いて教科書を受け取る。……あ、
「……キツネ可愛かったよ。」
『へぁっ！？み、みみ、見たんですか…！？』
Aの顔は火が出るのではないかというくらい真っ赤になって、教科書で顔を隠す。
『ゴメンナサイ、』
「え、何で謝るの？別にAは何も…」
『私傍から見たら、角名くんのセコムと思われてるみたいで…』
は、セコム？？何のこと？？
『角名くんに沢山迷惑かけてるみたいだから本当に、ご、ごめんなさい…。』
「待って待って、迷惑だなんて思ってないしそれ誰から言われたの？」
『宮くん。』
あいつ……
侑の方を見て怒りの視線を送ると、侑はブヒャヒャと笑っていた。あいつマジで許さん。
「あ、あのさ…本当に迷惑だなんて思ってないし、寧ろ嬉しいから…」
『ほ、ほんと……！？』
「ッうん、」
『そっか……ありがとう！』
そういうとAはふにゃっと微笑んだ。
(あ、やばい)
心臓がやたら大きく跳ねた気がした。
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麻呂ましゅ(プロフ) - 宮侑イケメン過ぎて今度は侑の小説見たくなっちゃったー( ߹꒳߹ ) (11月15日 7時) (
レス) @page47 id: e05060289a (このIDを非表示/違反報告)
なっちち(プロフ) - 久々にキュンキュンきました(*´ω｀*) (2021年2月7日 4時) (レス) id: 5d60cec675 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - 気づいたらニマニマしてました……とても良い作品ですね(*´ `) (2020年5月18日 22時) (レス) id: 5054bb840e (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ - 可愛すぎるってぇぇぇぇ!やばい！讀みながらひとりで騒いでたわ (2020年4月12日 16時) (レス) id: 767cede04a (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 更新お疲れ様です！続きがすごく楽しみです！！応援してます！！ (2020年4月7日 1時) (レス) id: f894f75d5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にろ
| 作成日時：2020年3月11日 10時
