硬貨45枚 ページ47
ルークに出会ったときにつけられたあだ名。でもどの辺が"ミツバチ"なのかは憶測がつかなかった。ラギーの"タンポポ"だってそう。
ルークがAのあだ名を口にする度、頭の何処かでそのことを考えていた。
『ほら、ウツボサマ達のは分かるけどさぁ。僕とミツバチって何も関係ないじゃん？』
小柄だから、ならまだわかる。実際Aは小柄だから。
でもそれ以外に見つからない。虫みたいに弱くないと自負しているし、花だって好きじゃない。甘いものよりかは辛いもののほうが好き。それに群れたりなんかしない。
自分には理解が及ばなかった。
"あぁ！"とルークは笑って口を開く。
ルーク「花から花へと移ろう姿、蜜を運ぶ姿はさながらミツバチのようだからさ」
『僕そんな健気に見えるかなぁ？』
ルーク「そうだとも！家族のために奮闘する姿は何よりも健気で愛くるしいよ」
『ヒャハ、そりゃどーも！』
解決。ようやくAの悩みがなくなった。
どうやら相手をとっかえひっかえしているところが似ていたらしい。それと+αでいろいろ。考えるのは面倒だったので放棄した。
しばらく2人でのんびりと話す。ちょうど1時間経ったところでルークはジャケットの内側に手を忍ばせる。
それをAは制した。腕に添えられた手に、ルークは目を見張る。
『いらない、出さなくていいから』
ルーク「私は、ムシュー・ミツバチの貴重な時間を買っているんだよ。これはほんのサービス料にしか過ぎない。支払わせてはくれないかい？」
『お金の関係はやめよ、もう僕は自分を売らない。』
いつもなら折れてくれるA。しかし、今日は違った。ルークの瞳の奥まで見ていた。濁った瞳じゃない、光を灯した目が自分の奥まで射抜いている。
ルークはお手上げだ、とジャケットの内側から手を抜いた。
『僕は優しくないから、今後は罠になんて引っ掛かってやんない。例え僕が狩人サマのことが好きでも、ね。』
すくっと立ち上がってルークを見下ろす。ニンマリと笑いながら口を開く。
『その手で僕を捕まえてごらん？
軽快な笑い声を響かせて廊下を駆け抜けるA。
ポカンとしていたルークは、すぐに妖艶に笑った。興奮のあまり声が震える。
ルーク「フフ、ハハッ！狩人の血が騒ぐよ、Aくん……！」
教室を照らす夕日は燃えるように朱い。
最後に食われるのは"ハイエナ"か、それとも"愛の狩人"か。
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しお(プロフ) - 完結おめでとうございますっ作者様の作品どれも大好きです！！ほんとにどタイプです(; ;)新作も楽しみにしています！頑張ってください！ (2020年8月17日 18時) (
レス) id: 555d662f3a (このIDを非表示/違反報告)
ぱるこ氏(プロフ) - 完結おめでとうございます！！すっごく読んでいて楽しい作品でした！またどこかで貴方様の作品に出会えますように（＾ν＾） (2020年8月16日 22時) (レス) id: f3351ce51f (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - とても面白いです。この作品が更新されるのを毎日心待ちにしてます。更新大変だと思うので作者様なりのペースで頑張ってください！応援してます。 (2020年8月7日 22時) (レス) id: 9f253d2950 (このIDを非表示/違反報告)
諒(プロフ) - イライ&ナワーブさん» ご指摘ありがとうございます！お手数ですが、誤表記の話数をお教えいただけませんか？ (2020年8月7日 22時) (レス) id: 20c69aa8ad (このIDを非表示/違反報告)
イライ&ナワーブ - とても面白いと言うかBL最高！ (レオンではなくてレオナですよ) (2020年8月7日 21時) (レス) id: 1da65a8f09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：諒 | 作成日時：2020年8月2日 13時
