カミカゼ ページ41
机の上にうつ伏せて、私は静かに言葉を漏らす。
「なあ拓也、自分が相手にあげる全部と、相手から貰う愛の重さ……どっちが重い方がいいのかな」
江「………愛ってのは、相手の求める量を分かってあげることだと俺は思ってるよ。押し付けちゃいけない。自分もしょって行けるくらいがちょうどいいんだよ」
「………愛なんて、あればあるだけいいって思ってた。愛されているが故の行動なら、受け入れられた。ほんとにそう思ってたんだよ……?」
江「うん」
「だけど『千里が俺の事愛してるってわかんない』って言われちゃった。受け入れるだけじゃダメだったのかな。私からも伝えてると思ってたのに、あれじゃ足りなかったのかな……」
冗談めかしに……そう。無理やり笑って、ほんとの笑い話にしなきゃ。困らせちゃう。拓也は友達なのに、こんな話されても迷惑だよ。
「また、失敗しちゃったや………」
静かな部屋。私の強がった弱い声がやけに響く。
江「………ばか」
「……ぇ…?」
江「なんにも間違ってないよ。たしかに受け入れるだけが恋愛じゃないし、伝えることも大事だけど………でも溢れかえるくらい貰って、それで溺れてたらだめだろ。
貰う愛とあげる愛の器が同じなわけない。……だから間違ってない。見えてなかっただけだ、お互いに」
「…………拓也、………らしくない」
江「そんなの重々承知だわ。……あー、なんで俺、友達に恋愛観語ってんだろ〜……」
「…………あはは、ほんとだよな。拓也と恋バナとかないわぁ〜w ………アハはっ、はは……は……………っ………」
江「たまには休めよ。問うばかりが人生じゃないわけだし」
「………うん………あ、りがとう………っ……」
お腹の中に溜まっていくような、優しくて、あたたかい声。拓也なりの励ましは、いつも不格好で一生懸命。
友達思いの拓也の言葉だからきっとこんなに心に響くんだろう。
147人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りさ - ななき。さん» こちらこそ! (2019年2月5日 21時) (レス) id: 41b914f6ac (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - りささん» ありがとうございます!ではまた、これからもよろしくです! (2019年2月5日 21時) (レス) id: 6cf8ba9d16 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - ななき。さん» ぜひやりましょー!またお誘いします! (2019年2月5日 21時) (レス) id: 41b914f6ac (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - こちらにもコメントありがとうございます!とても励みになります!ぜひぜひ、やったことはないですが、時間が出来たらやってみたいと思ってます。またお誘いしてくださると嬉しいです! (2019年2月5日 20時) (レス) id: 6cf8ba9d16 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - お話読ませていただきましたー!続き楽しみに待ってます!機会があればリレー小説一緒にやりたいです! (2019年2月5日 20時) (レス) id: 41b914f6ac (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ななき。 | 作成日時:2019年2月4日 19時