四月の天使に叶え【江口拓也】

オールドパル ページ33

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7時半、あたりは暗く月が小さく輝いている。町は会社帰りのサラリーマンが愚痴を言いつつ、仲間と肩を叩いている。




良「卯月ちゃん、飲んでる？」

「あ、はい。木村さんはお酒よく飲まれるんですよね」

良「うん。よく知ってんね」

「拓也に聞くので。『ワインとウィスキー好きの先輩がいる』って」

良「あいつペラペラ喋りやがって。他にはなんにも言ってない？」

「『楽しくて頼りになる人』『The、いい男』『なんだかんだ優しい先輩』『兄貴って感じ』『俺が女なら惚れてる』」

江「おい、最後のは言ってないだろ」




向こうで櫻井さんと飲んでいた拓也が電話片手に隣に立っていた。




「あれそうだっけ？」

良「えぐ、俺の事どんだけ好きなんだよ。……照れんだろ」

江「やめて！たしかに好きですけどその言い方は誤解をうみますから！」



監督「江口君ー、いい酒入ってるんだって〜。飲もうぜ〜」

江「あーはいはい。先に電話出てきますね〜」

監督「早くしろよ〜」



良「あーあ、捕まっちゃってるよ」

「けっこう飲んでますねー、監督」

良「酒好きなんだよね。ただそれ以上に飲ませるのが好きだから困りもんw」

「へぇ、たしかに拓也あんまり酔わないですからね。酔わせたくなるのはわかるかも」

良「飲んだりするの？」

「専門学校の時は結構。相談がてら愚痴がてら、なけなしの金でよく飲んでましたね〜」

良「え、専門学校一緒なんだ」

「えぇ。あれ知りませんでしたか？ 拓也と仲良いからてっきり」

良「あいつは過去の話はあんまりしないから。そっか、専門学校から……」

「もう10年来の友達になりますね」

良「あいつと友達疲れない？」

「実はけっこうw ……でもお互い様ですから。それに一緒にいて楽な友達も拓也くらいしかいません」

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