四月の天使に叶え【江口拓也】

アイ・オープナー ページ4

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「おはようございます、朝ですね。天気がいいですが今日はどちらまで？………はぁ〜そうでっか。夫婦で？おや息子さんと！そりゃあ楽しみでんなぁ」




私はどうも朝が弱い。二度寝三度寝は当たり前だし、起きてからも30分くらいベッドの中で過ごす。ごろごろごろごろと。

その対策方法として編み出したのがこれ、"鳥に話しかける"

だいぶやばいやつだと思われそうだが、これが意外と覚めるもんで。話し相手になってくれている小鳥たちにお礼を上げていたら、この時間ぴったりに現れるようになった。




江「お、珍しく声出てる」

「おはよう拓也。朝一に電話なんてなんの用？」




ベッド脇のスマホをとると、ちょうど拓也から電話がかかってきた。




江「なんの用って……今日『オフだからどっか行こう』って言い出したのお前じゃなかったっけ？」

「はぁ〜よく覚えてるね」

江「むしろ言い出したやつが忘れるってどうなんだよ。どうせ卯月のことだから寝てんだろうと思ってモーニングコールしたのに」

「ごめんごめん。ちょっと小鳥たちと朝の予定を話してたから。すぐ準備する」

江「こ、ことり？またなんか飼ってんの。………まあいいや、じゃあ駅前で」

「ほーい」




ファンデに新色のグロスとチーク、アイラインを軽めに引いてナチュラルメイク。ジーパンの裾を大きめにおり、ビッグセーターを1枚着る。
スカーフのついたパリッとめの黒いカバンにスマホを入れて、玄関前の鏡に微笑みかければ完成。

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