四月の天使に叶え【江口拓也】

シンデレラ ページ11

さすが女子会という所か、ポンポンと話はめぐりいつの間にか恋バナになってしまった。




綾「で、江口さんとはいつくっつくんですか」

「……だれもおばさんの恋愛トークなんて聞きたくないでしょ。それより香菜ぼうは？上手くいってる？」

香「話そらそうとしてもダメですよ。今日こそは聞くんですから」

「香菜ぼうまで……。いやいつも言ってんじゃん。拓也とはなんにもないって。ただの友達だよ」



香・綾「「ほんとにぃー？」」



「やっぱうそ。唯一無二の友達だよ」

綾「………じゃあ、男として見た事ないんすか？」

「そりゃあ男でしょうよ。あんな巨人が女の子に見えるの？」

綾「そういう事じゃなくって……」

香「じゃあ、江口くんの好きなところはどこです？」

「好きなところ？……まず服のセンスがいいとこ。自分の見せ方を分かってるとこ。ネガティヴに見えて実はポジティヴなとこ。最近はラジオトークが上手くなってきたからそこかな。……あと、基本的にバリューで差別しない」

綾「めっちゃ出てくるやないですか」

「意外と拓也優良物件なのよ？早いうちに狙っとけば？」

香「確かに魅力的なお芝居ですし、歌は上手いしダンスもできるし。何よりあのルックスとフェイスですからね……」

綾「……お金もってるし」

「相変わらずお金すきね〜」

綾「何言ってるんですか、そこ重要。……でもそんだけ優良物件ならなんで付き合わないんですか？」

「だからだよ。私にはもったいないでしょ？あんな面白い友達二度と出来ないかもしれないんだから、大切にしとかないと」




両手にコーヒーを持ち、冗談っぽく言う。




綾「なんか、惚気られた？」

香「恐らく」

「違うよぉ〜〜。……っと、ごめん電話。ちょっと出てくるね」




断りを入れて席を立つ。電話の相手はマネージャーだった。

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