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ぎし、ぎし、と近づいてくる足音が、恐怖でしかない。


一階らへんを歩いてくれればいいのだが、足音は私の居場所をわかっているかのように周りの本棚の間を歩いていく。


ダンボールの隙間から少しだけ見えた服の裾。



青いような黒。



…。


ああもうこれ確実に目の赤い三日月宗近じゃん。


どうする?


窓から飛び降りたら打ちどころ悪ければ死、運が良かったら捻挫とか骨折とか、?



でも、早くこの恐怖から解放されたい。



私ここより高いであろう所から落ちてるしな…。



薬研さんや神様方のお陰だとしても私の運がいいってことだし…。(?)




よし、飛び降りよう。



とは言っても足音めっちゃ近いんだよね。



なんだったっけ、霊力とか神力の話。



薬研さんは俺の神力でばれるとか書いてたけど、私の霊力隠すために神力がどうちゃらって…。



どっちにしても、これは詰んでいるんじゃ…。




私は遠のいたり近づいたりする足音の主を見るべく、ダンボールの隙間に目を凝らしてみる。




他の神様で、もしかしたら仲間になってくれる!っていうことがあるかもしれないからね。




そう思ってみると、そうかもしれないという期待が膨らんだ。




ダンボールの隙間に視線を戻すと、隙間はあるのに暗くて見えなくなっていた。



…確かにさっきよりか暗くなったけど…雲が厚くなったのかな。





顔をあげて、絶句した。



「やぁ、やっと見つけたぞ、小娘よ」



息が詰まる。



えええ、いや、ええ。



鈍感と言うか、なんで気づかなかったの私。



詰みましたどころじゃないじゃん。



終わったじゃんこんなの。





『あの』



回らない頭が出した言葉は、



『殺しますか』



純粋かと言われたらそうでもない



『私のこと』


よくわからない疑問だった。




返ってきた返事は



心底楽しそうな、意地の悪い微笑だった。

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ニャンコソバ2(プロフ) - 若葉さん» うわぁあ!!まだ見てくださってた方が…!!ありがとうございます頑張れます…!! (2020年11月8日 10時) (レス) id: addc7bb8eb (このIDを非表示/違反報告)
若葉 - 更新待ってます! (2020年11月8日 1時) (レス) id: 5ef262c096 (このIDを非表示/違反報告)
ニャンコソバ2(プロフ) - 幸別愛友さん» ありがとうございますー!!!これからもどうぞよろしくお願いします!! (2019年12月14日 6時) (レス) id: addc7bb8eb (このIDを非表示/違反報告)
幸別愛友 - この世界観すごく好きです!続きがすごく楽しみです!待ってます!! (2019年11月12日 23時) (レス) id: 978af02bfc (このIDを非表示/違反報告)
ニャンコソバ2(プロフ) - さらさん» うわぁあありがとうございます!!!!!オチは悩み中です…。いきあたりばったりで書いてる駄作者なので…。 これからも応援よろしくお願いしますっっっ (2019年11月5日 22時) (レス) id: addc7bb8eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ニャンコソバ | 作成日時:2018年12月31日 17時

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