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66:痛いのは本当は嫌いです ページ31

傷は浅いとも深いとも言えない深さだった。

一瞬の痛みに、咄嗟に頬を抑えるA。

頬を抑えながら、Aは自分の前を見た。

建物に寄り掛かっていた芥川はゆっくりと立ち上がっており、その周りには黒く輝く黒刃が舞っている。

『意外と早いお目覚めじゃないですか』

Aは余裕そうに笑う。

芥川はまだしっかりと立てないのか、建物に手を添えている。

ふらつく芥川とは違い、黒刃は素早くAに向かってくる。

『もう……危ないですね…』

まるで舞いでもするかのように黒刃を避けるA。

「ケホッ ケホッ………」

芥川が漸く顔を上げた。

「……吸、血…姫……?」

そこで攻撃が止まった。

『助けたのに失礼ですよ。全く……』

「僕は助けなど……」

『はいはい。求めてなくても良いですよ。
とりあえず座って下さい』

Aは芥川の肩に手を置き、力を入れて座らせた。

『じゃ、治しますか』

Aは右の手首を軽く切った。

その行動に芥川は疑問を浮かべる。

『治癒はしますけど、方法は二つです。
方法については強制しないので、好きな方を選んで下さい』

Aは一度言葉を止めた。

『…一つめ、私の血を傷一つ一つに垂らして時間をかけて治します。
二つめ、私の血を芥川さんが飲むことで治します。
……個人的には、二つめの方が楽ですけど、貴方としては抵抗があると思うので…』

芥川は視線を逸らした。

そして、一言も喋らない。

『無言でも仕方ないですね…
良いです。一つずつ治しますね』

そう言ってAは芥川に高さを合わせる為屈んだ。

そして、自信の手首から流れる血を芥川の傷口に一滴垂らした。

すると、傷口が少しずつ塞がっていった。

芥川はそれを見て驚いたが、Aの能力なのだと解釈し、何も言わなかった。

67:過去の記憶ほど嫌いなものは無いです→←65:私が誰かを救うこと



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♪音姫♪(プロフ) - 霧神廉さん» リクエストありがとうございます。あまり書いた事の無いキャラですが頑張ります! (2018年5月1日 11時) (レス) id: 28f218a5c0 (このIDを非表示/違反報告)
霧神廉 - とっても面白いです! リクエストで夢主ちゃんがモンゴメリちゃんと夢野久作と仲良くなる展開にしていただいでも宜しいでしょうか。ご検討、御願いします。 (2018年4月30日 22時) (レス) id: cff83fd718 (このIDを非表示/違反報告)
♪音姫♪(プロフ) - REIYAさん» コメントありがとうございます。これからも更新頑張ります♪ (2018年4月29日 14時) (レス) id: 28f218a5c0 (このIDを非表示/違反報告)
REIYA(プロフ) - 何時もみてます。≪そ〜ら〜を〜飛んで((≫の所を見ると頭の中で≪飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで回って回って回って回る〜≫しか流れないのです。分からないですよね。すみません。此れからも頑張ってください (2018年4月28日 15時) (レス) id: bc3561fcd7 (このIDを非表示/違反報告)
♪音姫♪(プロフ) - 嘘の仮面@英さん» ありがとうございます。 リクエストの方は、番外編(?)として別の小説を作る予定なので、そちらに書かせていただきます。 これからもよろしくお願いします。 (2017年12月20日 17時) (レス) id: f26110437a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:♪音姫♪ | 作成日時:2017年6月22日 8時

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