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ま、嘘だけど ページ10
トイレブラシがもう一方の女子をひとりでに磨き始めた。
「うぐ、うげぇ」
トイレを磨くブラシに磨かれたい物好きなどいないだろう。
ただ、その怪奇現象に二人は戦慄した。
私は一切、手も足も使っていない。デッキブラシを握ってすらいない。
物理攻撃──ま、嘘だけど。
正確には花子や藤がやってくれているのだ。蓮は既にトイレを磨いてくれている。
物理攻撃というより、霊能攻撃かな。まあ、見えないから理解できないだろうけど。
二人にはきちんとトイレを磨いて、「三條と六谷とお近づきになりたいんなら、トイレを磨いて女神さまに別嬪さんにしてもらうんだね」と言っておいた。
教室に戻ると五月さんが気遣わしげに私を見た。
「大丈夫でしたか?」
「大丈夫だよ」
ま、半分嘘だけどね。返り討ちにしたから私と一緒だった女子は大丈夫じゃない。
「え、魁さん、何かあったの?」
「何もないよ」
嘘だけど。
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作者名:瑠色 | 作成日時:2019年5月20日 20時