第69話 ページ25
――side A
Aが屯所に到着する頃には血が乾いてゴワついていた。
「お疲れ様です、隊服お洗濯しておきますね。」
「ありがとう。」
上着を女中に手渡してシャワーを浴びると、Aの躰から血が流れ落ちて排水溝に消えてゆく。
”あなたも私と同じ。本当は正義や悪やなんてどうでもいい人殺しの目。
それも、お兄さんよりもずっとこちら側のね。”
(ちがう…あたしは…!)
”アンタも同じさ。死と隣合わせの戦場でしか生を実感できない人殺しの目だ。
アンタとオレはより強い血の匂いを求めて引かれあったんだ。”
(本当に…?本当に、違うと言えるの…?)
”同類だから目を見りゃわかるのさ。息をするように人を殺す人殺しの目だ。”
(もう、わからない。だって、初めて人を斬ったのはいつだったのかさえ覚えていないのだから。)
流しても流しても風呂のタイルを赤く染めるそれは…Aの心から流れた血の涙だったのかも知れない。
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あつぽん(プロフ) - アルハさん» ありがとうございます!!!私としてもすごく思い入れのあるこの作品についてそういうコメントいただけるのはすごくうれしいです!これからもよろしくお願いしますね(*^_^*) (2016年12月7日 11時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
アルハ(プロフ) - 1から読みました!話に引き込まれていって凄く面白かったです!!最高!!! (2016年12月3日 14時) (レス) id: 5e4beefb64 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - みゅうさん» ありがとうございます!そんな風に言っていただけるなんて本当に嬉しいです。励みになります!これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします (2016年8月25日 15時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
みゅう(プロフ) - あつぽんさんの作品は全て読ませてもらっています!どれも面白くて大好きですっ!これからも頑張って下さいq(^-^q)応援しています(*´ω`*) (2016年8月2日 19時) (レス) id: ad4e56f403 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - 月夜さん» おおおお!総悟&神威好きに出会えるとは!!わたしも大好きなので、喜びのあまりにやにやがとまりません(笑)実は私の作品、神威が活躍するの多いんですよ(笑)これからも楽しんでいただけると嬉しいです♪ (2016年7月4日 21時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あつぽん | 作成日時:2016年2月6日 10時