ツンデレすぎる護衛人【灰谷竜胆】

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『あの……。』

｢あ？｣




『灰谷さんって、何歳なんですか？』


彼のことをもっと知りたいがために、
なんの前触れもなく聞いてしまう。


｢…………お前よりは上。｣

何故か具体的な年齢は教えてくれないけど、
答えてくれたことが嬉しくて。



『えっと、じゃあ灰谷さんは…』


｢竜胆。｣


｢へ？｣





｢……竜胆。俺の名前。
灰谷さんってなんか痒いんだよ｣

もしかして、もしかしなくても下の名前で呼べということでしょうか…………？
いきなりの展開についていけなくて、焦った私は





『えっと、えっと…。



じゃぁ、りんちゃん、って呼んでも…？』



｢……は？｣


ミラー越しに睨まれる。
やばい、嬉しすぎて調子に乗りすぎてしまった…。



『ごめんなさい、なんでもないです。』


慌てて下を向く。







｢……別に、好きに呼べば。｣


その声にバッと顔を上げる。
ミラー越しに映る彼は何を考えているかは分からない。

だけど、なんとなく少しだけ
距離が縮まったような気がして。





『…り、りんちゃん。』


｢用もねーのに呼ぶんじゃねぇよ。｣



あぁ、胸が苦しい。




そして、
このうるさい胸の音が、少し開けた窓から聞こえる外の雑音にかき消されていることに安堵した。




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