ツンデレすぎる護衛人【灰谷竜胆】

05 ページ5

.


事務所につくと、社長に呼ばれた。
昨日のことをとても心配され、
念の為明日から私にはボディーガートがつくそう。


今後はマネージャーに変わって行き帰りの送り迎え、移動時の護衛等、常に付いて回るそうで。






『あのう…ちなみにどんな方でしょうか？』


いくらボディーガードとはいえ、
四六時中一緒に過ごすのだ、どんな人なのか気になるところ。


｢…俺の昔の知り合いの所の奴だ。
心配するな、腕はいいから。｣


何となく言いにくそうな社長。
…腕はいいって何の話でしょうか…？
まぁ、怖い思いしないならいっか。




『そうですか。よろしくお伝えください。』


私は頭を下げ、その場を後にした。









｢さすがに反社の人間とは言えねぇわ…｣


静まり返った事務所内。
少し気まずそうな社長の声が響いた。







＊






翌日。
いつもはマネージャーが来るギリギリまで寝ているのだが、さすがに初対面の方と会うのだ。
きちんと二時間前に起きて朝食を食べ、身支度を整える。
今日はドラマの撮影。
向こうで化粧をしてもらうから、最低限で。


約束の時間三分前、インターフォンが鳴った。
聞こえもしないのにはいはーいなんて小走りでモニターを確認した私の頭が真っ白になる。









｢護衛でまいりました、灰谷です。｣


暗闇だったけどはっきり覚えている。
紫色のウルフカットに、高そうなスーツ。
目は少し切れ長で、気怠げ。




あの時私を助けてくれたお兄さんが、そこにいた。




･

06→←04

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す