ツンデレすぎる護衛人【灰谷竜胆】

22 ページ22

．



目が覚めると逞しい胸板が目の前にあって先程の情事を思い出し…






なんていうのはドラマあるあるにすぎない。
実際、意識を飛ばすなんてことはなかったし、
なんなら事細かに覚えている。
しかもなんかいまだにりんちゃんのが入ってる感覚がするようなしないような……。
あぁもうはずかしい、顔から火が出そうだ。
だって、あんなところにあんな大きいの……。



｢なーに考えてんの、やらしー。｣


『…！？ち、ちがっ…。』



どうやら私は考えてることが顔に出やすいタイプなのかもしれない。
女優失格だ……。




『りんちゃんの、ばか。』



恥ずかしくて、未だに半裸の彼の胸に顔を埋める。
目を開ければ目の前には刺青があって、
なんだかチカチカする。






＊





｢…なぁ、気付いてんだろ。俺が堅気の人間じゃないの。｣


その一言に、分かりやすく肩を震わせてしまった。
これでは動揺がバレバレじゃないか。



『…………なんとなく。
社長の昔の知り合いの人の所のって聞いた視点で
なんとなく想像はできた。』


｢…それ。ほぼ最初からじゃねーか。｣



そう、社長から説明を受けた時から、
なんとなくそっち側の人なのかな、なんて予想はしていた。だけど、知らぬが仏。知らない方がいいこともあるよな、なんて思っていたから特に気にしていなかった。
……というより、先に好きになってしまっただけだが。



．

23→←21

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す