メルエム ページ8
【シトロン】
あなたはまるで白百合のように美しい
それは蟻の王としてではなく一生物として。
私はあなたの部下として・・・仕えるものとして
幸せでございます。
「Aよ、百面相してどうしたんだ」
「王、いえ何でもございません」
「理由を述べろ」
少し、だるいけど私のことを気にしてくださっている
それだけで私は幸せなの。
「王の僕として私は幸せでございます
歓喜していただけです。」
「そうか、余はお前のような使えない僕をもって苦労だがな」
貴方はなんて意地悪な人なの?
本当はそう思ってないくせに
「申し訳ございません」
「謝罪が欲しいわけじゃない」
「Aよ、余の傍に居ろ。」
!!!
恐れ多い、お言葉。
なんて幸せなんだ私は。
「では、失礼します。」
王、メルエム様のお傍に着けば
その立派な尾で絡め取られる私の肉体
なんて幸せなんだろうか。
「なんだ、頬がつり上がっている
なにか嬉しいことでもあったのか」
「いえ、私は王のお傍にお仕えできて幸せなのです。」
「フン そうであったか
余興にお前を貰おうか」
ああ、私はこんなにも美しいお方に食べられるの?
「お口に合うかどうかはわかりませんが
どうぞお召し上がりになってください。」
「クッ ハハハハハ」
はて、私はそんなにも面白いことを言ったのだろうか?
「メルエム様?どうなさいましたか?」
「やはりお前は面白い
一生余の傍で余を守り続けろ」
「!! この上ないほどの幸せです。」
やっぱり、あなたは美しくて意地悪なお方だ。
(ーーー美しいけど意地悪な人)
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作者名:ヴィズ | 作成日時:2018年10月2日 0時