クロロ ページ3
【ポインセチア】
街に捨てられた新聞紙を手に取り内容を軽く見てみる。
“￣￣博物館のお宝、A級犯罪者集団 幻影旅団に盗まれる”
幼い頃、5つ離れた私によく付いてきてくれたね。
キミが大人に喧嘩を売ったとき 覚えてる？
それに気づいた私が大人達からいち早くキミを守ってあげたんだよ。
“なお、犯人たちは高台にて待つ という書き置きを残している”
高台・・・
そう お姉さんに来させるなんて、ほんとダメな子。
でも、行ってあげる私もダメな子だね。
そうでしょ？“クロロ”
「お久しぶり クロロ」
「ああ、久しぶりだなA」
名前呼びなんていつ許可したのかな？
でも大人になったねキミは。
「ちゃんと頭としてやってるんだね 新聞、みたよ」
「Aなら見てくれると思っていたよ」
ｸｽﾘと笑って見せれば驚いた顔をするキミ その顔は変わってないね
「なんの用？」
「オレと、結婚してくれ」
時が止まったように感じていたけど 私の頭は確実にフリーズしていた
「もう、お姉ちゃんって呼んでくれないんだね。
そうかー 天下の幻影旅団団長サマの奥様…」
「いいね、いいよ よろしくねクロロ。」
「オレと一緒に来るか？ それともここで暮らすか」
ごめんね、クロロ。
あのときキミを守って以来 怖くて念が使えないの。
だから
「ここで 貴方の無事を・・・幸運を祈っているよ」
だから、無事でいてね
そんな私のことなんかつゆ知らず、フッと笑って
おでこに軽いキスを落とすキミ。
大人になったんだね。
「つらかったら何時でもおいで。」
(ーーー幸運を祈る 私の心は燃えている)
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作者名：ヴィズ | 作成日時：2018年10月2日 0時
