弟よ、怖がるなかれ

詐欺師の塒 ページ10

「ゴン、キミだよ」
遠回しに言ってみるが わからない様子。

「だから、キミが私の探し求めてた弟！！」

「えええええええええ！！！！？！」
「Aがオレのお姉ちゃん？！！」

あ、凄いいい反応。
そうそう 多分そう、てか絶対そう。

「うん！A=フリークスだよ！
やっと 逢えた。」
「私は正真正銘 キミと血を分けた姉だよ！」

「Aが……オレのお姉ちゃん……！！！」

「よろしく！A！！！！ｷﾞｭｳｩ」

(か、可愛い！！！)
(抱きついてきた！！！！)


ジンのことについては聞かれなかった。
自分の力で探したいんだって
うん、いい子だ(確信)

「で、出口だ！！！！」

誰かの疲れた吐息とともに聞こえてきたその言葉。
出口ね、ここからが地獄だよ
キミたちにとってはね。ヌメーレ湿原……。


霧が深い、それは空気を侵食しているようで
私たちを飲み込む、そんな感じがした。

霧が深いと言っても 凝をすれば
その先が見えるくらいだよ



ある程度 人数が集まってきて 私たちが登っていた階段のシャッターが閉じられた。


「ヌメーレ湿原、通称詐欺師の塒
二次試験会場へはここを通っていかねばなりません。」

地面はヌメヌメしている、雨上がりのグラウンドのように。
これに足を取られてしまったら命までも取られてしまうね。

「この湿原にしかいない奇怪な動物達、
その多くが人間をも欺いて食料にしようとする
狡猾で貪欲な生き物です。」

「十分注意してついてきてください。」

人間を欺くだなんて、素晴らしいと思うよ
これは一種の革命だよ

「騙されると･････････死にますよ？」

ちょっと、寒気が…
きっとさっきからウズウズしている44番に向けて殺気を放ったのだろう

「この湿原の生き物はありとあらゆる方法で獲物を欺き、捕食します。」

捕食される、でもそれは弱い人間の話。
ゴンやキルアくんなら大丈夫だろ

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