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「なんですか、あなた。頭沸いてます？」
かなりキツい言い方になったとは自覚しているが、オブラートに包むのは得意ではない。
それに今回はこの人に非があるはずだ。見知らぬ人を家に入れる、だなんて頭がおかしいとしか思えない。
「え、だって放っておくわけにはいかないじゃん」
「いや、学生に向かって家来る？ だなんてどこの誘拐犯ですか。不安要素しかありません」
「誘拐じゃないって」
「それ以外にどのような意味が？」
「単純に心配だから？」
「疑問符付けている時点で怪しいです」
「心配だから！」
「疑問符付けなければいいってもんじゃありません」
いつまでも終わらないいたちごっこに辟易する。
本来ならば、もう私はこの世にいないはずではなかったか。だが、この人が現れたことで予定は全て崩れ去った。
「でも、警察に行きたくないんでしょ？ そしたら僕に残されている選択肢はこれくらいだって」
「放っておくという選択肢は」
「ない！」
そう高らかに宣言される。
私としては放っておいてもらいたい。でも、そんなことが通用しないのはとっくに学習していた。……だからといって、黙ってついて行くわけではないが。
「……あなたが誘拐犯ではないという証拠は？」
証拠だなんて簡単には見せられない。屁理屈だとはわかっているが、この言葉を面倒臭く思って、去ってくれないかな、なんて考えた。
ただ、この人は更にその上を行く。
「あ、それなら心配ないよ。だいたい僕が犯罪なんか起こしたら、ニュースになっちゃうし。いくらなんでも、そんな危ない橋は渡らないって」
彼は笑いながらそう答える。
いや、証拠にはなっていないよね？ とは思いつつも、疑問がその上を行き、気づけば言葉として発していた。
「ニュースになっちゃう……って、あなた有名人かなんかなんですか？」
頭の上から下までじろじろと見る。
なるほど。高い身長に整った顔立ち。それに人当たりの良さそうな性格は、人気商売にうってつけだろう。
「えーっと、知ってるかな？ 歌い手っていう職業」
彼はポケットからスマホを取り出す。そして、その画面を私に見せた。
見えたのは、数字の羅列に『フォロワー』と書かれた欄。百万以上だよね、これ。
「この数字の羅列は、僕を応援してくれている人の数。―――僕は相川真冬。歌い手の“まふまふ”をやっています！」
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千々(プロフ) - ちょこさん» ありがとうございます！その後話も気になりますが、これ以上書き足すと蛇足になってしまいそうだったので…笑 たぶん夢主ちゃんは幸せに暮らしていると思います。想像の中でお楽しみいただけると幸いです！ (2022年12月6日 19時) (
レス) id: 1d9d509371 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです！その後話が欲しい！ (2021年10月13日 22時) (レス) @page38 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - いちごあめさん» コメントありがとうございます！ この題名は中々インパクトありますよね笑。あわああ他の作品も見ていただけるんですか、ありがとうございます！ (2020年11月1日 14時) (レス) id: 4401622583 (このIDを非表示/違反報告)
いちごあめ - 完結おめでとうございます〜！！題名に釣られたんですけど目に入って本当に良かったなぁって感じてます、笑 他の作品も見させて頂きます( *´ワ`*) (2020年8月26日 21時) (レス) id: 6feff1c97c (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - ひきねこさん» ありがとうございます！ 時間があったら他の作品も読んでいただけるんですか！？ めちゃくちゃ嬉しいです！ 次作も一生懸命頑張らせていただきますので、どうぞよろしくお願いします！ (2020年8月18日 22時) (レス) id: b78eeb1902 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千々 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/tidierika2/
作成日時：2020年7月4日 16時
