【まふまふ】屋上から飛び降りようとしたら、下の人と目があった。

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さあ、ここからなにをするべきなのだろうか。手持無沙汰な上に、なにをすればいいのか全くわからない私には、困惑する以外の道はない。

すると、猫ちゃんたちに餌をあげ終わったと思われる相川さんが、こちらへ近づいてきた。



「えっとね、とりあえずAちゃんの部屋つくろっか！」

「部屋って……余り、とかあるんですか？」



なるほど。見回してみれば一人暮らしにしては大きすぎるリビング、そしてたくさんの部屋。こんなことを言ったということは、この家には余り部屋があるのだろう。



「うん。ちょっと空き部屋になっていたところがあるから、そこを使ってくれればいいなーって。家具は後から運び込んでおくね！」



家具だなんて高額だと思うけれど、そこはこの人が異質だと認識して放っておく。

けれど、少しは使い勝手が良いように意見は出すつもりだ。……意見と言っても、勉強机だったり、本棚だったりを置いてほしい、くらいだが。



「あと、生活用品いろいろ揃えよっか？ たぶん持ってないでしょ？」

「飛び降りをしようとした人間が、生活用品なんて持ってきてると思います？」

「うん、ないね」



納得したのか、相川さんはスマホを取り出す。……ん？ スマホを取り出す？

気が付けば、ソファーの上にいたそらるさんも立ち上がり、相川さんのスマホを覗き込んでいた。なにをしているのだろうか。



「えと、なにしてるんですか？」

「んー、買い物」

「……え？」

「ネットで買い物もできるんだよ。外に出なくてもいいから、僕たちは基本的にこれ使ってる」



相川さんがスマホ画面を見せて説明してくれる。……ネットってすごい。何回目かはわからないが、今日言い続けてきた言葉をまた呟く。



「まずは洋服買おっか！ なにか好みとかある？」

「特には……強いて言うならモノトーン系かと……」



了解、と相川さんは呟いて、画面をスクロールしていく。たくさんの洋服の写真が載っているのは、おそらく商品だろう。

そらるさんも覗き込み、画面をタップし始めた。



「よし、こんなとこでいいでしょ」



……その一時間後、見事に相川さんは白を基調とした洋服を、そらるさんは青を基調とした洋服を選んでいた。

私の好みからして、自然と相川さんの選んだものを多く買ったが、その間中、そらるさんが青い服をオススメしていたことは気にしないでおく。

一つ言わせてほしい。この二人、白と青に思い入れでもあるの？

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