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そらるside
俺ははっきり言って、沢島Aという人物をあまり信頼していなかった。
嘘をつこうと思えばいくらでもつける。騙そうと思えばいくらでも騙せる。
思えば、まふまふが倒れたと聞いて少し神経質になっていたのかもしれない。
だが、彼女に会ってすぐ、自分の思いを恥じた。
「そらるさん……？」
彼女の第一声はそれ。
その言葉だけで、リスナーさんだとは理解することができた。
しかし、その事実よりも俺を襲ったのは別の思い。
＿＿あまりにも、脆く、危うい。
彼女にはどこかそう感じさせる雰囲気があった。
その時にはもう既に、彼女が嘘をついている可能性なんて微塵も残っていなくて。
協力しよう、その思いが確実なものへと変化した瞬間だった。
＊
沢島A、と書かれたネームプレートを見つけ、その病室の前に立つ。
中では彼女が失踪したことが既にバレているようで、ちょっとした騒ぎになっていた。
まふまふに頼まれたことは主に三つ。
まふまふの服を家から持ってきてAの服を買いに行く。
自由に遊びに行けるように、予定時間にタクシーを呼ぶ。
そして最後が一番の難関。Aがいなくなった理由を彼女の家族、主治医に説明するというものだった。
何気に鬼畜じゃね、これ。
コンコン、と扉を二回ノックする。
開けたのはこの状況で一番落ち着いているらしい、看護師さん。
その奥には、沢島Aさんのお母さんかと思われる女の人、お医者さんがいる。
「急にすみません。俺は、この病院に入院している相川真冬のお見舞いに来た、一ノ瀬彼方という者です。この病室にいた、沢島Aさんがいなくなった理由を説明したいのですが……」
そう言うと、その場にいた全員がこちらを見た。
あー、なんて言えばいいんだろう。俺は当事者じゃないんだけどなー…。
「まず、Aさんは無事です。今、相川真冬がそばにいます。身元は絶対安全確実なので、心配はいりません」
そしてまふに聴いた、彼女がこの病院から脱走することになったわけを簡単に説明した。
まず、彼女がまふを信頼したのは、まふが歌い手であったから。
そして、逃げ出したわけは、“自分のやりたいことをやる”ため。
俺が説明できることはこれくらいだ。
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千々(プロフ) - ちょこさん» ありがとうございます！ (2022年12月5日 9時) (
レス) id: 1d9d509371 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです！ (2022年11月4日 20時) (レス) @page22 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - 藍猫さん» おお！おめでとうございます！！（一年ほったらかしにしてて本当にごめんなさい……） (2022年9月4日 11時) (レス) id: 84f8a35d43 (このIDを非表示/違反報告)
藍猫 - ｽｳｯｯｰｰｰｰｰ…そういえば10月18日って私の次の日じゃないですか…えまって嬉しい( 〃▽〃) (2021年7月17日 2時) (レス) id: 0f30a0c194 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - 翡翠琥珀さん» 飢えているから書けたんですw そう言っていただけるなんて嬉しいです……！ 自信につながります１ (2020年6月18日 21時) (レス) id: a6aff5c4e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千々 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/tidierika2/
作成日時：2020年4月30日 15時
