【まふまふ】さよならユーフォリア

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私がボカロＰを始めたのは五年前のことだった。

ボカロＰになるきっかけは真冬さん。当時は“まふまふ”という名義しか知らなかったが。

今でこそ、打ち合わせと称して真冬さんと会っているが、かつてはいちリスナーに過ぎなかった。


色んな曲を作詞作曲するまふまふさんに憧れて、まずは鼻歌を楽譜に写してみたり。ピアノの和音に合うメロディを作ってみたり。

趣味のような曲作りをネット上にあげて、それ以降も少しずつ曲を作ってボーカロイドに歌わせてみれば、私を応援する人が少しずつ増えていく。

自己満、けれど確かな達成感を味わうために投稿を続けて二年と少し。

私の憧れ、そして同時に原点であるまふまふさんが、私の作った曲を歌ってくれたのだ。


＿雪花の降る夜＿

雪のように淡く、溶けてしまった恋心を歌ったこの曲。

闇の中を縫うように、雪花が降る。そんなイメージとともに作り上げた曲だ。


もちろんそれだけならば、まふまふさんに楽曲提供をする、だなんてことはなかっただろう。

ただ、この曲の紹介ツイートにあった言葉。それが私を惑わせた。



“この人の作った曲、もっと歌ってみたいなぁ…”



歌い上げたノリで呟いたのかもしれない。純粋にそう思っていたのかもしれない。

けれど確かに、そこに書いてあった言葉は私の判断を後押しした。



“今回は私の作った曲を歌ってくださってありがとうございます。もしよろしければ、近々公開予定の楽曲を提供させて頂いていいでしょうか？”



そのＤＭから、私の作った曲を真冬さんに歌ってもらうという、私にとって分不相応な関係が始まった。

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