わがまま×お嬢さま【HUNTER×HUNTER】

第４１話【予想は外れることが多いタイプです】 ページ42

*


その後またぐっすり寝てしまったA。
広間では皆それぞれがそれぞれ決断したような顔をしている。


「……愚問だが聞こう。Aが起きたら話す。異議ある奴は？」


誰も何も言わない。
皆、彼女に明かす覚悟はしている。
彼女の言葉はしっかり彼らが受け取った。


「おかえり言わせてって……ほんと可愛いよね」


シャルナークが呟く。
それは皆も思ったらしい。その言葉で皆微笑んだ。


「おかえりくらい、たくさん言わせてやらぁ」


フィンクスが続いて言う。


「……俺たちの帰る場所は、Aだ。勝手に死んでくるなよ」


クロロはふっと笑いながら言う。
それに皆は笑顔で頷き、それを機会に酒やらなんやら飲みだした。
今回の騒動は旅団の彼らにとっても見直す大事な出来事である。


翌日。
再び彼女は目を覚ました。隣にはフェイタンが本を読んでいる。


『おはよう！』
「……おはよね」


フェイタンは彼女の元気な姿を見ると部屋から出る。
広間で皆が待ってると伝えて。






がちゃり。
広間のドアが開かれる。


『……おはよう！』


少し気まずそうな笑顔を見せた彼女に皆は安堵の笑みを浮かべた。
マチは彼女を手招きし、自身の隣に座らせる。その対面にはクロロが座っていた。


「……A。起きてすぐで悪いが、お前には言わなければいけないことがある」
『……』


クロロはAの目を見つめた。
Aの目は何を言われてるか分かってるような目で、やっと言ってくれるのかという感情も見られる。彼女は感情が出やすいタイプなのだ。


「……俺たちは幻影旅団。盗みや殺しを日常としている。善人じゃないんだ」



Aなら受入れてくれる。そう確信しているのだがそれでも怖いのだ。蜘蛛にとって彼女はかけがえのない存在になってしまった。


『あたしの予想大当たりよ！さぁ皆あたしを褒めなさい！！』
「「は？」」


受け入れてくれるのは分かっていたがこんな反応になるとは思わなかった。彼女は懐から紙を取り出しそれを彼らに見せた。
それを見た彼たちは驚いた。確かにそこには幻影旅団と予想していた内容があった。


『ふっふっふ！マチ達の身体にある蜘蛛の刺青、日常的に刀を見せ殺気を見せる、隠しているみたいだけど鼻につく微かな血の匂い、身のこなしや歩き方や全部一般人には思えないわ。そこで調べた結果出てきたのが幻影旅団。どう？大正解も良いところでしょ？』


どうやら彼女は予想以上に観察力に優れているらしい。

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