わがまま×お嬢さま【HUNTER×HUNTER】

第２９話【もしもしって何で言われるようになったんだろね】 ページ30

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Aが広間に行くとシャルナークに呼ばれた。


『なに？』
「これ、あげるよ」


シャルナークに手渡されたのは携帯。


『なにこれ？』
「それにオレらの電話番号あるからいつでも電話できるよ」
『電話？』
「あれ、知らない？例えば」


シャルナークがAに渡した携帯を持ち、Aに見せるようにして操作する。電話をかけるボタンを押すとシャルナークの携帯から着信音が鳴り出した。Aに携帯を渡し耳に当てるよう指示。彼が自身の携帯を取り電話に出て「もしもし」と言うとAの顔が輝いた。


『すごい！すごい！ここから聞こえるわ！』
「これでいつでも話せるよ」
『ありがとう！！』


シャルナークは電話を切る。Aはシャルナークから教わった通りシャルナークに電話をかける。


「うん、できるようになったね」
『おぉ！』


Aはそれから団員の皆に電話をしていった。すごいすごいとはしゃぎながら電話をする彼女はとても可愛らしい。


「そうそう、これを持って行くならこれからも外出して良いよ」
『ほんと！？シャル大好き！』
「わっとと」


Aはシャルナークに抱きつく。
彼女はもう外出できなくなると思っていたため、この出来事は本当に嬉しかった。
Aはご飯を食べ終わると携帯を持って早速外へと出かける。


「見てて飽きないね」


その姿を見ていたマチがAが出ていった姿を見届け呟く。


「Aは元気で無邪気だ。本当にオレらといて良いのか分からなくなるくらい」


シャルナークは苦笑していた。


「……アタシたちがどんな悪者でも、アタシたちに拾われて良かった。Aはこう言ってたよ」
「……そっか。案外Aにはバレてるかもね」

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