第20話【自信って時には必要だと思う】 ページ21
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「……あのバカ変に頑固だからずと言い続けるよ。それならととと出したらいいね」
本を読みながら適当に答えるフェイタン。
「ふむ。マチとシャルナークは?」
「オレはさっき言ったとおりだよ」
「アタシは厄介ごとに巻き込まれてほしくない。確かに助ければ良い話だけど助けられない場合はどうすんのさ。アタシたちはなんでもできるわけじゃない。アタシたちは盗賊だ。彼女の精神面での問題となると解決できる?」
マチの意見はごもっともだ。
精神面。それはいじめだったりトラウマうえつけられたり。盗賊である彼らは人の慰め方、心の傷の癒し方を知らない。
「……1番は?」
「友達連れて来たらそいつ殺しちゃいそう」
「あの子ドジなとこあるから怪我たくさんつけてきそうで怖い」
賛成意見を言った彼らはその言葉にため息をつく。シャルナークとマチはかなりの過保護。世話係はフェイタンだが彼は見ていることが多く実際何かとしているのはこの2人だ。
「それにその友達をオレらより優先した時を考えると……」
シャルナークは微かに殺気を放つ。大方想像したのだろう。
「お前バカか。あいつがワタシたちより優先することなんてないね。それとも自信ないか?」
フェイタンは自信たっぷりといった表情で言った。
「……それもそうだね」
シャルナークはAを外へ出すのに賛同した。
続いてマチも出して良いと言う。
「決まったな」
外出許可。
『行ってきます!!』
「道に迷わないこと!」
「楽しんでこい」
話は早いもんでAはさっそく外へ出た。朝起きたAにそれを話すとすぐに出たいと言い出しそれを止めるのが大変だった。
『……誰か、いるかしら』
Aは辺りを歩く。
自分はこういったところを歩いていたんだと。楽しくなった。町の光景。草木。動物。
『すごい……!』
Aは走った。それほど彼女にとって嬉しかったのだ。
町を駆けると、公園が見えてきた。彼女はそこに行って遊具に乗る。滑り台を滑って、ブランコをこいで。でも、なぜか楽しいと感じない。
『……1人は嫌よ』
彼女の脳内に映像が流れる。
暗い牢屋に1人佇む姿。自身を見る冷えた目。
『…………』
明るい部屋。自身を見る暖かい目。
自分には、彼らが必要だ。いや、彼らといたい。
『……帰ろう』
友達を作る予定だったが、今はそれよりも彼らに会いたい。
彼女は歩く。来た方向と逆の道を。
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永遠の18@みやちゃん(プロフ) - きぃさん» ありがとうございます!主人公ちゃんもミカちゃんも私好みのキャラにしているので大好きと言われると嬉しいです(笑)これからも頑張らせてもらいます! (2019年4月20日 21時) (レス) id: e44bb0483d (このIDを非表示/違反報告)
きぃ - 主人公ちゃんもミカちゃんもかわいくて大好きです!更新頑張ってください!! (2019年4月19日 19時) (レス) id: 6e365f857a (このIDを非表示/違反報告)
ワサビ餅(プロフ) - 永遠の18@みやちゃんさん» 返信は遅くっても全然大丈夫です!!(笑) (2019年4月12日 19時) (レス) id: 0bb12ee9d2 (このIDを非表示/違反報告)
永遠の18@みやちゃん(プロフ) - ワサビ餅さん» お返事遅くなり申し訳ない!私もミカちゃん好きで当初はただのモブキャラ予定でしたが……続きはCMの後!(笑)お互い頑張りましょねー! (2019年4月12日 18時) (レス) id: e44bb0483d (このIDを非表示/違反報告)
ワサビ餅(プロフ) - 登録人数すごいですね!!ミカちゃんが個人的には好きです!お互い頑張りm(殴←(何様やって感じですよね。(笑) (2019年4月2日 10時) (レス) id: 0bb12ee9d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:永遠の18@みやちゃん | 作成日時:2019年3月8日 1時