わがまま×お嬢さま【HUNTER×HUNTER】

第１１話【猿芝居？いいえ、プロの芝居です】 ページ12

*


夕方。
拠点内にいる人たちは困っていた。


「マチはどこだ！パクはどこだ！！」
「おい、誰か飯つくれねぇのか？！」
「作れるやつがいるわけないだろ！？」


そう、ご飯のことについて。
いつもならこういう時は各自自由だ。しかし、Aがいる。世話係であるフェイタンにAのご飯を頼むのも良いが、軽く死ぬだろう。かといってAの目の前で盗むのは気が引ける。だが、今更食料調達をするのにわざわざ買うのも嫌だ。
男たちは考えた。


「ねえA。ご飯作ってみてよ」
『ご飯……？』
「そう！」







「で、何故ワタシがわざわざ見張らないといけないか」
「お前世話係だろ？頼んだぜ」
「殺す」


フェイタンはフィンクスに刀を向ける。
しかし、服を引っ張られそちらの方を向いた。


『ねえ、何作れば良いの？』
「ここは定番のカレーよろしく！」


材料はあるから。
フェイタンは無駄に揃っていることに腹が立った。



一方シャルナークは機嫌が良かった。
というのもあれは猿芝居で目的通りなのだ。


「いやー、Aのご飯楽しみだね」
「材料揃ってるあたりフェイタン気づいてるだろ。あとが怖えぞ」
「後なんて知らないな」


ノブナガの声にシャルナークは知らんぷり。
そう、別にAの料理をさせなくとも。Aの目の前で盗まなくても良いのだ。
数人で外行かせて盗ませてきたら良いだけの話。
マチとパクノダという料理班がいないことは結構珍しい。
その為、今しかないのだ。


「早くできないかな」
「なんでそんなに楽しみなんだ」
「やっぱ女の子は料理できるようにしとかないと」

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