わがまま×お嬢さま【HUNTER×HUNTER】

第１０話【子供扱いになるのは仕方ない】 ページ11

*


目が覚め、Aは腕を見る。
途端に吐き気がし、慌てて包帯を巻いて見えないようにした。
巻き終えると広間に行く。大抵1人は広間にいるのだ。


「お、やれば静かに開けられるじゃねぇか」


今日いたのはフィンクスとシャルナーク。他の人はと聞くと皆仕事らしい。
そういえば。Aは思った。


『皆、なんの仕事してるの？』


その質問に2人は目を合わす。
別に驚くような質問じゃない。この質問は当たり前なのだ。思ったよりも来るのが早かっただけで。


「秘密だよ」
『ちょ、教えてよ！』
「まだAは知らなくて良い」


人は精神が不安定な時、被害妄想やマイナス思考をすることが多い。その言葉は、Aにとってそういう思考にさせるには十分だった。

自分だけが知らない。疎外感。

しかし、それを悟られてはいけない。なぜか、Aの頭にはその言葉が浮かんできた。


『子供扱いしないでよね！』


Aは笑った。




それからは暇だった。
フィンクス、シャルナークと一緒にトランプで遊んでいたが、いずれ飽きる。


「Aは我儘だなー」
「子供らしくて良いじゃねぇか」
『だから！子供扱いしないで！』


拗ねたAはソファに寝転ぶ。
彼女にとって子供扱いされるのは嫌らしい。なんてったって彼女はお嬢様気質。無駄にプライドというものが高い。
シャルナークはフィンクスを軽く睨み、どうにかしろとでも言いたげだった。
そんな時。仕事から数人帰ってきた。
それに気づいたAはドアを開け、入り口の方へ走る。


『おかえりなさい！』
「おー、ただいま」
「今日も元気だな！」


帰ってきたのはノブナガとウボォーギン、フェイタンの3人。
Aはフェイタンの前に立つ。


『おかえりなさい！』
「……ただいまね」
『よろしい！』
「……」
「待て！刀を抜くな！おい！」

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