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嫌いになんてなれない ページ38

side. you






「・・・・・・」


約束の日。



いや、勝負の日とも言うのか。



私はイギリスさん家に、

いやイギリスさん家の前にいた。





インターホンを押そうにも押せずに。



今日は私達の関係は少なからず変わってしまう。



そう思うと気が滅入る。



どうしよう、どうしよう。



そんなことを考えながらうろうろオロオロしていると




カチャリとドアが開く音がした。





「・・・!」




イギリスさん。


身構えているとそこにいたのはイギリスさん




ではなく




「いらっしゃいませ、A様」




黒いスーツを身に纏う男性が私に朗らかに笑いかけた。



使用人だろうか。



ホッとしたような残念のような




「あの、イギリスさんいらっしゃいますか」




すると使用人は悲しそうな表情を見せる。





「申し訳ございません。
主は急な用事ができてしまいまして」




「え・・・」


約束。


また断られた。


その言葉な私の頭の中を一瞬で真っ白になる。






「貴方様が来るという事は知っていたので
お茶だけでも飲んでいって貰えと伝言されています」




どうぞ、こちらへ


そう丁寧に中に招き入れる使用人。


私はどうにも感情を抑えつつ





あの中庭に案内された。



そこには前以上に豪華なお菓子やお茶が




並べられていて。




凄く悲しくなった。




使用人はお茶を入れると




失礼しますと言いながらこの場を去った。





「私、お菓子目的だと思われてるのかなぁ」




なんとも自虐的な行為に思わず笑いがでる。





「期待させて落とすなんてイギリスさん、ひどいよ」





お茶もお菓子も食べられない。




貴方がいないと何も美味しくない。





「うぅ・・・」




不意に目からポタリと何かが垂れてきた。




それは口まで達してしょっぱい味がした。





「うぅ・・・。
イギリスさんのアホ、馬鹿、眉毛ぇ・・・」




涙に乗じて悪口を連発する。




でも、そんな私のほうがもっと馬鹿だ。





「でも、好きなんだよ・・・」




「嫌いになんてなれないから」





「・・・イギリスさんの馬鹿ぁ!」









「だーれが、馬鹿だ。
この馬鹿女」




後ろから優しく頭を撫でられる。


この手つき。


この声は私が唯一絶対忘れないもの。





「い、イギリスさん・・・」





「人がいないと思って散々だな、お前」





そこには嬉しそうに笑う


イギリスさんがそこに居た。

嫌いになんてさせない→←冷風が過ぎる



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抹茶塩(プロフ) - 夢々煙さん» 夢々煙様、コメントありがとうございます!イギリスはちょっとカッコよすぎたかもなと今更ながら思っておりますw最後まで読んでくれてありがとうございました(*⌒▽⌒*) (2017年12月19日 12時) (レス) id: d8767b3e74 (このIDを非表示/違反報告)
夢々煙(プロフ) - 最後までとても素敵なお話でした…!イギリスの一言一言がカッコよ過ぎました。これからも頑張ってください応援してます (2017年12月19日 7時) (レス) id: b3413670f5 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶塩(プロフ) - ちまごんさん» ちまごん様、コメントありがとうございます!感動して頂けるなんてとても嬉しいです^^*シリーズ化ぜひ期待していてください!最後まで読んでくださってありがとうございました!次の作品も楽しみにしていてください(´∀`) (2017年12月18日 0時) (レス) id: d8767b3e74 (このIDを非表示/違反報告)
ちまごん(プロフ) - やばいめっちゃ素敵だ、感動した…!シリーズ化期待していいですか…いいですよね…! (2017年12月17日 22時) (レス) id: 31ff02926d (このIDを非表示/違反報告)
抹茶塩(プロフ) - ぽっぷこーんさん» ぽっぷこーん様、コメントありがとうございます!最後のシーンを気に入ってくださり光栄です(*^^*)また次のお話やこのシリーズをぜひ楽しんで頂けたら幸いです。最後まで読んでくださってありがとうございました(´∀`) (2017年12月17日 10時) (レス) id: d8767b3e74 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:抹茶塩 | 作成日時:2017年12月7日 11時

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