彼を落とすための攻略本：イギリス 【APH】

冷風がさらう ページ36

side. you



泊りがけから1日。




イギリスさんや上司の方に挨拶して




私は始発の便で国に帰国した。




もちろん私の上司は笑顔では迎え入れない。




仕事が溜まっていると言ったあと少し仏頂面をしていたが最終的には手伝うからと声を掛けてくれた。






あのオペラ座の夜。




正直に言うとあまり覚えていない。




イギリスさん家の車に乗ったあとだろうか。




多分そこから眠っていた。




長い長い夢だった、不思議なほどに。





だが私の日常は戻ってくる、



はずだった。









｢え、キャンセル？｣




｢ええ、さきほど連絡があったの。
今度の食事会はまたの機会にって｣




上司は何かしたかしらと心配そうな表情だ。




私はイギリスさんの国と関係を築くため




食事会を開くことになっていたが




どうやら行けないとの言伝があったらしい。




｢・・・｣




イギリスさんは確かに口が悪いが


今まで約束を急に破ることがあっただろうか。






｢わかりました、残念ですがまたの機会にですね｣





私の笑顔はどこまで通用しているだろう。





何か急な用があったんだよね




そんなことを心の中で唱えながら私は余っている仕事を片付けた。






でも、





それからも




イギリスさんと連絡を取るのは難しくなった。






｢あの、お邪魔してもいいですか｣




｢すまん、その日は用事があってな｣








｢私の地元綺麗な花が満開なんです。
よかったら見に来ませんか？｣




｢あぁ、機会があれば｣







｢あの、この前｣


｢悪い、今立て込んでるんだ｣






いつの日か




私の生活から




イギリスさんが居なくなろうとしていた。

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