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 一瞬息を呑む私。


 黒木君の瞳が、あまりに妖艶で……綺麗で……

 寂しげで……







 でも、はっと我に返ったの。


 黒木君、あのままだと風邪ひいちゃうっ!!





 慌てて駆け寄る。



「黒木君?黒木君!」




「…アーヤ……」




 その瞳が、こちらを向く。



 ドキン、と、胸が鳴った。






 ……どうして、


 そんなに、泣きそうな目をしているの?







「…っ、黒木君、何してるの?傘は?」




 そう聞くも、



「…俺は……」






 そう俯いて、何も答えない。



 〜〜〜。


 もう、じれったい!





 私は思わず、その手を掴んだ。


 わ、冷たい……。




「アーヤっ?」




 初めて、その声に感情が灯る。




 私は聞かずに、強引に近くのお店の軒下まで引っ張った。


















「ちょっとまって」




 傘をたたみ、地面に置いてから、カバンからハンカチを出す。



「はい、これで拭いて?」




 そう渡すと、黒木君は驚いた顔をして、つき返してきた。



「いや、いいよ、俺は大丈夫だから」





 もう、どこが大丈夫なのっ?

 そんなずぶ濡れな格好で言わないでよねっ。




 頑なに受け取ろうとしない黒木君にしびれを切らした私は、できる限り背伸びをして、その頬に片手を添えた。

 最大限に開いたハンカチで、頑張って拭く。




 黒木君が、目を見開いた。




「アーヤ……」


「動かないでね」






 そう強く言うと、やっと大人しくなった黒木君。


 目を閉じて、されるがままになっている。





 わあ、睫毛、ながい……。






 ちょっと嫉妬しちゃった。


 男の子なのに、ずるい!!






 でも、肌も綺麗だよね…。


 髪の毛もサラサラだし。





 黒木君が女装したら、きっとめちゃくちゃ綺麗なんだろうなあ。







 そんなことを考えて、思わず手が止まる。




 訝し気に目を開けた黒木君。





「……?」





 不思議そうに見られ、私は慌てて手を動かした。



 黒木君の女装姿を想像してたの、なんて、言えないっ。



*→←2、雨降る街で



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イズミ - 黒木君が泣くという発想がわたしにはおもいうかばなっかたので、すごいとおもいます。 (2023年3月13日 18時) (レス) @page12 id: 6ccf209779 (このIDを非表示/違反報告)
イズミ - アーヤが7人で見たらぎゅうぎゅうだよ。って言った後、「アーヤ最強。」と言われているのも面白かったけど、どいう意味かアーヤが分かっていないのが面白かったです。 (2023年3月13日 18時) (レス) @page6 id: 6ccf209779 (このIDを非表示/違反報告)
ずず(プロフ) - わ、待ってます! (2019年1月6日 0時) (レス) id: 054a7adbe3 (このIDを非表示/違反報告)
花畑(プロフ) - ずずさん» 了解です(笑)次の「誰も知らない物語3」で書かせていただきますね!いつになるかは分からないですが…その時はよろしくお願いします。 (2019年1月5日 21時) (レス) id: e150cc9add (このIDを非表示/違反報告)
ずず(プロフ) - 大丈夫です、嬉しいです!あ、いや、受け取らなくてもいいですよ…? (2019年1月5日 20時) (レス) id: 054a7adbe3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花畑 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年11月21日 15時

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