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「じゃあ、彩からどうぞ」




 スマホのタイマー機能を設定しながらそう言った。

 大きく頷いた彩は、キラキラの瞳で貴和を見据える。



「ふふふ、この瞬間のために、昼間から色々考えてたんだから」


 だから今日は妙にソワソワしてたのか。謎が解け、内心可愛いなと思いながらはいはいと頷く。



「じゃあいくよ?よーい、

 スタート」



「えっと、優しいところ、大人っぽいところ、カッコイイところ、何でも私が知らないことを知っているところ、頼りになるところ、」


 指折り数えながら、雪崩のように言葉がとびだしてくる。


「なんでも器用にこなすところ、笑顔が優しいところ、意外と甘いものが好きなところ、喧嘩しても必ず貴和くんから謝ってくれるところ、いっしょに寝る時に手を握ってくるところ、」


 話がだいぶ細かいところにまで及んできた。

 刻刻と減っていくタイマーの数字だけを見つめながら、これは想像異常にキツイなと、少しだけ後悔した。

 なんの羞恥プレイだ。


「デートの時必ず服装を褒めてくれるところ、さりげなく車道側を歩いてくれるところ、荷物は絶対重い方を持ってくれるところ、私の服とかの買い物にも文句言わず付き合ってくれるところ、えっと、スタイルがいいところ、服のセンスがいいところ、記念日を忘れないところ、ええっと〜」


 どこまで出るんだと逃げ出したくなったころに、やっと言葉が詰まった。残り時間は数秒。



「あっ、シュークリームを食べてる時の顔が可愛いところっ!」


 滑り込みセーフで、アラームが鳴った。それを止めながら思う。なんだ、食べてる時の顔が可愛いって。


「へへーん、18個!!」

「すごいすごい」



 鼻高々に威張る彼女に、塩対応にならざるを得ない。こんなに居心地の悪い30秒はないなと思った。いや、普段彼女が自分をどう思っているか知れて良かったと思うべきなのか。


 どうしてくれようかと考える。妙案を思いついた時、彩が言った。



「じゃあ、いくよ?18個超えなきゃだめだよ?よーい、


スタート!!」



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イズミ - 黒木君が泣くという発想がわたしにはおもいうかばなっかたので、すごいとおもいます。 (2023年3月13日 18時) (レス) @page12 id: 6ccf209779 (このIDを非表示/違反報告)
イズミ - アーヤが7人で見たらぎゅうぎゅうだよ。って言った後、「アーヤ最強。」と言われているのも面白かったけど、どいう意味かアーヤが分かっていないのが面白かったです。 (2023年3月13日 18時) (レス) @page6 id: 6ccf209779 (このIDを非表示/違反報告)
ずず(プロフ) - わ、待ってます! (2019年1月6日 0時) (レス) id: 054a7adbe3 (このIDを非表示/違反報告)
花畑(プロフ) - ずずさん» 了解です(笑)次の「誰も知らない物語3」で書かせていただきますね!いつになるかは分からないですが…その時はよろしくお願いします。 (2019年1月5日 21時) (レス) id: e150cc9add (このIDを非表示/違反報告)
ずず(プロフ) - 大丈夫です、嬉しいです!あ、いや、受け取らなくてもいいですよ…? (2019年1月5日 20時) (レス) id: 054a7adbe3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花畑 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年11月21日 15時

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