検索窓
今日:33 hit、昨日:4 hit、合計:93,461 hit

ページ29




「んぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」




 頬を抑えて悶絶する彩。



「さすがお兄ちゃん!!すっごく美味しいよ!!」
「それはよかった」



 結局ちらし寿司を作って、二人で小さな食卓を囲んでいる。


「このイクラがね、凄く美味しいの!きゅうりも、シャキシャキしてて美味しい!!」


 一口食べるごとに褒めてくれるこの小さなお客のためには、腕の振るいがいがあるってものだ。

 それに彩の食べ方は、見ていて気持ちいい。


「そういえば、彩」
「ん?」


 ほお袋に食べ物を詰め込んだリスのような顔で、彩が「?」な顔をする。


「彩は、短冊にどんなお願いをしたの?」

「ああ、えっとね〜〜」



 ずっと気になっていた。
 そこまで彩が執着するお願い事って、一体なんだ?


 暫く黙り込んだ彩は、いたずらっ子の様に目を躍らせて笑った。



「お兄ちゃんと、ずっとずーーーーーーっと一緒にいられますように、って」




 …………
 …………




「彩、明日はケーキでも買いに行こっか」
「ええっ、いいの?やったー!!」




 手放しで喜ぶ彩の瞳は、純粋そのもので。

 その願い事が、いつまでも彩の胸にあるなんてことは己惚れない。でも。


 ……彩がいつか俺から離れて行っても、俺以外の男に愛を与えようとも、

 今の彩の愛は俺に一心に向けられているんだから、それでいいんじゃないか?



 少なくとも、今だけは彩を独占できるんだから。
 可愛いこの瞳は、まだしばらくは俺だけのものだ。




 ………ほんとに俺ってシスコンだな。

 でも彩、
 お前のブラコンも相当なものだよ。



*おわり*

あとがき→←*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (129 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
72人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

イズミ - 黒木君が泣くという発想がわたしにはおもいうかばなっかたので、すごいとおもいます。 (2023年3月13日 18時) (レス) @page12 id: 6ccf209779 (このIDを非表示/違反報告)
イズミ - アーヤが7人で見たらぎゅうぎゅうだよ。って言った後、「アーヤ最強。」と言われているのも面白かったけど、どいう意味かアーヤが分かっていないのが面白かったです。 (2023年3月13日 18時) (レス) @page6 id: 6ccf209779 (このIDを非表示/違反報告)
ずず(プロフ) - わ、待ってます! (2019年1月6日 0時) (レス) id: 054a7adbe3 (このIDを非表示/違反報告)
花畑(プロフ) - ずずさん» 了解です(笑)次の「誰も知らない物語3」で書かせていただきますね!いつになるかは分からないですが…その時はよろしくお願いします。 (2019年1月5日 21時) (レス) id: e150cc9add (このIDを非表示/違反報告)
ずず(プロフ) - 大丈夫です、嬉しいです!あ、いや、受け取らなくてもいいですよ…? (2019年1月5日 20時) (レス) id: 054a7adbe3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:花畑 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年11月21日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。