* ページ12
お互いに、言葉は交わさない。
その大きな体を屈めて、
私の肩に顔をうずめる。
その震える体から、
彼が泣いていることは、容易に想像できた。
声を押し殺して、嗚咽も漏らさず、
ただ震える。
黒木君らしい泣き方……。
・
私は彼を、大人だと思っていた。
でも、そんなことなかったんだ。
彼はやっぱり、私と同い年で。
泣きたくなることも、自暴自棄になることもあるんだ。
誰かの温もりが恋しくなることだって、あるんだ。
遠い存在だった黒木君が、なんだか近くに感じられた。
・
もうすっかり雨はやんでいて、
雲の切れ間から月の光が零れている。
それでも、もう少し……
彼の気が済むまで、もう少し。
このままで。
*おわり*
72人がお気に入り
「短編集」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
イズミ - 黒木君が泣くという発想がわたしにはおもいうかばなっかたので、すごいとおもいます。 (2023年3月13日 18時) (レス) @page12 id: 6ccf209779 (このIDを非表示/違反報告)
イズミ - アーヤが7人で見たらぎゅうぎゅうだよ。って言った後、「アーヤ最強。」と言われているのも面白かったけど、どいう意味かアーヤが分かっていないのが面白かったです。 (2023年3月13日 18時) (レス) @page6 id: 6ccf209779 (このIDを非表示/違反報告)
ずず(プロフ) - わ、待ってます! (2019年1月6日 0時) (レス) id: 054a7adbe3 (このIDを非表示/違反報告)
花畑(プロフ) - ずずさん» 了解です(笑)次の「誰も知らない物語3」で書かせていただきますね!いつになるかは分からないですが…その時はよろしくお願いします。 (2019年1月5日 21時) (レス) id: e150cc9add (このIDを非表示/違反報告)
ずず(プロフ) - 大丈夫です、嬉しいです!あ、いや、受け取らなくてもいいですよ…? (2019年1月5日 20時) (レス) id: 054a7adbe3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ