8.決意の夜空 ページ8
「最終選別？」
「そうだ。来週、最終選別が行われる。
そこで7日間生き残ることができれば、
鬼殺隊に入れる。」
いよいよ…か。
「おじいちゃん、私頑張るから！」
私が笑うと、祖父は少し困ったように笑った。
「…お前なら大丈夫だ。…ゲホゲホ」
「おじいちゃん…？大丈夫？」
私が祖父に歩み寄ろうとした時、
祖父は膝から床に崩れ落ちた。
「おじいちゃん！！おじいちゃん！！
…おばあちゃん！！おじいちゃんが…！！」
最終選別の一週間前の夜のことだった。
祖父は長年患っていた病気の末、
この世を去った。
「おじいちゃんが笑顔であの世に行けたのは
Aのおかげだよ。」
「おばあちゃん？」
「おじいちゃんは病気を患ってから
重く暗くなっていたから…
でも、あんたに剣技を教えるときだけは
まるであの頃のように生き生きとしていてね…
呼吸法を使えば、病気であることも忘れる…だなんて
馬鹿みたいなことを言っていたよ。」
「私のせいだ…私のせいでおじいちゃんの寿命を」
祖母は私を強く抱きしめた。
「それは違うよ。
おじいちゃん、毎晩言っていたのよ。
Aが来てくれてから
残りの人生も楽しくなったって。」
背中を優しく撫でてくれる祖母の手は
あたたかくて安心する。
「明日はいよいよ最終選別だろう？
おじいちゃんが亡くなったあとも、
Aは折れずに教わったことを毎日鍛錬していたのを
おばあちゃんはちゃんと見ていたよ。
今夜は早く寝て備えないとね。」
「…うん。
おばあちゃん、私必ず生きて帰ってくるから。」
行燈の灯がゆらゆらとあたたかく私たちの顔を照らす。
「はあい。Aの好きなお料理を作って待っているね。
おやすみ。」
「おやすみなさい。」
寝室へ向かい、
障子を開けると空はとても澄んでいて
星がこぼれ落ちそうだ。
「おじいちゃん、見ていてね。」
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狐姫(プロフ) - ハウンさん» ハウンさん、こちらこそお読みいただきありがとうございます！引き込まれると言ってくださり大変光栄です！続編も更新しましたので、引き継ぎお楽しみいただけるよう頑張りますね！ (2022年3月1日 22時) (
レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - misakimiさん» misakimiさん、ありがとうございます！まっすぐな煉獄さんの深い愛情が表現できていれば…と思います。これからもそんな彼を言葉だけではなく、仕草や態度での表現ができるように努めたいところです！ (2022年3月1日 22時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
ハウン(プロフ) - 素敵な作品を作っていただきありがとうございます！ものすごく感情移入してしまって胸が締め付けられるくらい引き込まれました！続編楽しみにしてます！ (2022年2月28日 23時) (レス) id: 065a2165a6 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 今日も煉獄さんが素敵だ。押し付けがましいところは一切なく、ただただ彼女の幸せを願い笑顔を作れる彼は本当に素敵。 (2022年2月28日 21時) (レス) @page50 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - misakimiさん» 彼はあまり内緒話など出来なさそうですよね(笑) 巧いだなんて言っていただけて…嬉しすぎて今夜は幸せな気持ちで眠れそうです〜！いつもありがとうございます。 (2022年2月26日 21時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狐姫 | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/kohime_yume
作成日時：2022年2月5日 21時
