帰る場所護る場所 (ページ18)

今日:14 hit、昨日:9 hit、合計:53,244 hit

イガイ×ナ×ツナガリページ18

Aが寝ている間に説明があったのか、初めてあったメンバーとも馴染むのに時間はかからなかった。

フェイタンを除いては。
元々警戒心が強く、旅団のために警戒を怠らない彼がそう簡単に心を許すはずがなかった。

マチとパクノダ、荷物持ちにフィンクスとノブナガがAの足の治療のための道具の買い出しに行くと、ホームの広間にはクロロとフェイタン、Aだけが残った。

ほかのメンバーは、仕事に行ったり、自室に籠ってしまった。

Aは風通しの良いところに座って、フェイクヒュームの改良をしていた。

とにかく攻撃力を上げるために、色々な武器の形を作るが、いかんせん彼女の知っている武器は折檻に使われる物ばかり。

致命傷を与えるようなものは作り出せなかった。

しばらくするとAを取り囲むように、おどろおどろしい武器が並んでいた。

『……実践には使えないわね。』

フェ｢おい、これ作たのお前か？｣

『ええ、邪魔なら片付けるわ。』

フェ｢いい趣味してるネ。ほかも作れるか。｣

『見たことの無いもの、触ったことの無いものは無理よ。口に入れられればかなり質の高い物になるわ。』

フェ｢そか、いいこと聞いたよ。ちょと待てるネ。｣

先程まで離れた所で本を読んでいたはずのフェイタンが、嬉々とした表情でAを見下ろしていた。

少し話をすると、地下へ向かい、すぐに戻ってきた。

フェ｢私のとておきネ。コレも作れるか。｣

『その物は作れないわ、毒だとか、他のもので再現しているの。何がいいかしら。』

フェ｢ならこれ、自白剤で作て欲しいネ。｣

『舐めても？』

フェ｢いいよ。｣

フェイタンはトゲのついた猿轡を一度拭いてから手渡した。

Aはまじまじと眺めた後、何度か口に含んだり、舐めたりして形状を記憶する。

そして、煙管から煙を吐き出して猿轡を再現した。

『私が消すか、死ぬまで無くならないわ。』

フェ｢ハハ、いい物貰たよ。お前拷問好きか？｣

『意地悪するのは嫌いじゃないわ。』

フェ｢話しが合いそうネ。｣

余程猿轡が気に入ったのか、何度も角度を変えて眺めると、さっきまで読んでいた本を持ってきた。

【世界拷問器具図鑑⒊】

何とも形容し難い表紙には、赤黒い文字でそう綴られていた。

フェ｢お前気にいたよ。能力も面白いし、使いようによては、かなり化けるネ。｣

その一部始終を見ていたクロロは、まずい2人を引き合わせたと、苦笑していた。