1話 対面 ページ3
何時もの日常。いつもの日。学校から帰ってきて私は玄関の扉を開けた
「ただいま」
お腹空いた。疲れた。宿題やんなきゃ
様々な思いが入り混じってリビングの扉を開ける
「やぁ。おかえり。何時もより遅かったね」
「え………?」
思わずそんな声が飛び出た。もうほぼ無意識だった
ぐるぐるに巻かれた包帯、整った顔。蓬髪の髪の毛。人生この方こんなイケメンさん出会ったこともない
そういえばさっき玄関に靴置いてあったかも……お母さんの知り合いか何かかな
でも何で私の帰りが遅いって知ってるんだろう
逆にそこまで知られてると一周回って気持ち悪さまで感じるんだけど
「あの…?すみません、何方ですか…?」
「あんた自分のお兄ちゃんに何言ってるのよ〜!ねぇ?治」
お母さんは笑い半分台所から顔を出して私にそう言い放った
……お兄ちゃん?
…え?!……お兄ちゃん?!どういうこと?!私いつの間に真ん中っ子になってたの?!
「……お母さん?何言ってるの…?!」
何か滅茶苦茶嫌な予感がする
パンドラの匣を開けてしまったような、気づいてはいけないことに気づいたような
大体この変質者が私の家族じゃないことくらい簡単に証明できる
例えばそこにある写真だって___
「………嘘…」
机の上に飾ってある家族写真。そこには何故か包帯さんも写り込んでいた
可笑しい。何で今日あった人と家族写真を撮っているのか。いや、それ以前になんでお母さんはこの人をお兄ちゃんと呼ぶのか
ツッコミどころが多過ぎて何から言ったら良いか分からない
というか流石に焦ってきた。まだ春先だというのに体が熱い。変な汗が出てくるのが分かる
え?何?私がおかしいの?……いや、でも………!
「えっ…ちょっ……こんなの普通じゃないよ!!何で皆気づかないの?!」
そう叫んだときリン、と鈴の音が聞こえた。どうしてだろう。何故か落ち着く
「……普通じゃ、ない…」
落ち着かせる為にもう一度その言葉を呟いた
そうだ。普通じゃない。だって明らかに可笑しいよ。私覚えてるもん。昨日夜ご飯お鍋だったよね。お兄ちゃん何かいなかったよね。そうだ。そうだった
「母さん。A疲れてるみたいだから部屋に連れて行くよ」
「…え、あ……えぇ。宜しくね…」
包帯さんはそんな私を見て、即座に私の腕を掴んだ。いや、めっちゃ痛い。何これ
「お母さ___!!」
私の声は虚しくドアの音に掻き消された
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作者名:ピザ職人3号 | 作成日時:2019年4月14日 20時