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街の人から好印象を持たれている青年の一心不乱に叫ぶ姿を見て、訳もわからないまま街の人達は皆頑丈な建物の中へ避難する。
避難してしばらく経ち本当に竜巻は起こった。
とてつもなく大きいものが。
窓ガラスは当然割れ、窓ガラスから離れ自分の身を守っていた街の人は事なきを得た。
竜巻が去り外へ出てみると、地震でも起こったのかというぐらい街中に色んなものが散らばり、家の一部が飛んできていた。
街の人は青年のおかげで救われたのもあり、青年は英雄として讃えられた。
青年も誇らしかった。
突然視えた未来。それを視た自分が行動したことで、こうやって讃えられていることがとても誇らしかったのだ。
でも、青年が未来を見るのは1回ではなかった。
大火事が起こる未来、地震が起こる未来、不景気に入り街に危機が訪れる未来。
これら視えた未来は全て当たり、それを青年が未然に防ぐたびに青年は讃えられた。
だが、一部こんなことを言う者が現れた。
『あいつは未来が視える不気味な人間だ。しかも視えているものはすべて最悪な未来だ。』
『あいつがいることで、この街は不幸が訪れるんだ。あいつを追放しよう。閉じ込めよう。』
そんなことを言う者が。
いつしかその言葉は人を伝い大きくなっていった。
伝えていった人に洗 脳能力があったのか知らないが、いつしか街の人々はあれだけ讃えていた青年に後ろ指を指すようになった。
最初は友人も恋人も家族も青年をかばっていたが、
友人と恋人は大人の圧に負け、家族は洗 脳されてしまった。
そうして、青年は完全孤立化してしまった。
街から少し外れた場所に少しみすぼらしい家があり、そこで青年はひっそりと暮らしていた。
コンコン
この家に住み始めて初めて家に訪問者が現れた。
扉を開けるとそこにはあの噂のお婆さんが居た。
「私の言ったとおりだろう?」
青年と目が合うなりいきなりそう言うお婆さん。
「お婆さんは、なんで僕が孤立するって分かったの?」
心優しい青年は『お前が変なことを言ったから孤立したんだ』とお婆さんを責めることなく、お婆さんという存在を認めた上でそう尋ねた。
「未来が視えたんだよ。お前が未来が視えるようになるっていう未来を。」
「でもなんでそれが孤立することと繋がるの?」
「未来が視えるものは孤立する。そういう決まりなのさ。天界というものが本当にあるのならばそこで決められているものさ。」
そう呟いてお婆さんは姿を消した。
そうして青年は孤独になってしまった。
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姫愛羅(プロフ) - くらうんさん» えっくらうん!?まじで!?コメントありがとう嬉しいよ(T_T)まじか!運命かなにかじゃんwそう言ってもらえると本当に嬉しい!ありがとう!!これからも頑張るね! (11月6日 8時) (レス) id: bb7f950f3c (このIDを非表示/違反報告)
くらうん - てぃあらちゃん…!!これ前見てたしなんならお気に入りだったやつ…!!まさかとは思ってたけど本当だったのか…!応援してます…!!頑張ってください!! (11月5日 17時) (レス) id: cb2f978ff8 (このIDを非表示/違反報告)
姫愛羅(プロフ) - だっふぃーさん» わぁぁぁ!お祝いのコメントありがとうございます!!そう言って下さるの本っ当に嬉しいです!!色んなジャンルに手を出すことは自分にとっての挑戦で不安がたくさんですが、そう言って頂けて少し自信がつくことが出来ました!これからもどうぞよろしくお願いします! (7月22日 23時) (レス) id: 40f9f6be6d (このIDを非表示/違反報告)
姫愛羅(プロフ) - 風呂敷ёさん» わぁぁぁ!!わざわざお祝いのコメントありがとうございます!!英語が本当に苦手で翻訳させて頂いたんですが、見た瞬間に幸せの気持ちでいっぱいになりました…本当にありがとうございます( ᴗ_ᴗ̩ )♡ (7月22日 23時) (レス) id: 40f9f6be6d (このIDを非表示/違反報告)
だっふぃー(プロフ) - 姫愛羅さん、誕生日おめでとうございます!「空」という作品、暖かくほっこりするのと同時に少し切ないような読後感でとても好きです…!怖いものからファンタジーものなどたくさんのジャンルを書かれる作者様の作品が大好きです。これからも応援しています‼︎ (7月22日 22時) (レス) id: cd3561a74c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:姫愛羅 | 作成日時:2022年8月30日 21時