月とオレンジ 4

170 触らないで ページ24

あれは

見間違いだったかも……

なんて、淡い期待を

簡単にぶち壊してしまうんだ








これ以上返す言葉を見つけられないでいると








みつ「思い出してんじゃねーよ。」






って、突っ込まれるから








「べ、別に思い出してなんかないし//

ていうか、思い出す程見てないし//」







なんて返すけど、忘れられるわけなんかない







好きな人が……別の人と









みつ「どんだけ赤くなんだよ(笑)





まー、お前には刺激が強すぎたか(笑)」






って、真っ赤になる私を見て笑うと

手で私の頭をグシャグシャってする









いつもなら、嬉しくてたまらないのに







やだって……その手で





紀さんを喜ばせたその手で






触らないでって









……でも、そんな風には言えなくて





手で払いのけた








「別に全然平気だし//

あんなの普通だし//」






って、よく分からない強がり







みつ「ふーん。」



って、みっくんが






みつ「お前らもしてたの？」






「え？」






してた……お前ら？







一瞬なんのことか分からなかったけど






してたってのは、その男女の行為のことで





お前らっていうのは……

多分私と同室だった藤ヶ谷先輩








「そ、そんなわけないでしょ！//

第一、私たち付き合ってもないのに！//」






って、言い返すと






へー♪って、面白そうに笑ってる







ダメだ、答え方間違えたかも







今に始まったことじゃないけど

完全にまたバカにされてるよ







そこへ







「ラーメンふたつ、お待たせしましたー！」







って、店員さんが運んでくると







「みつさん、彼女さんですか？♪」






って、ラーメンを持ってきてくれた店員さんが

みっくんに耳打ちしてるのが聞こえた







か、彼女って//








彼女ではない







でも、知らない人から見たら

彼女に見えるんだ//

なんて、舞い上がっていると








みつ「んなわけねーだろ。





どー見ても俺のタイプじゃねーし。

こんなちんちくりん。」







ちんちくりん！？







「なんすかそれ(笑)失礼すぎますよね？」





って、私に振るからとりあえず頷く

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