STORY34 別れの挨拶(1) ページ36
常連の万事屋と真選組だけ挨拶をしてくると言うと、おじいちゃんが腕によりをかけてお土産の団子を使ってくれた。
ありがたくて、嬉しくて、浮き足立つ。
まずは万事屋。
確か育ち盛りの子供が2人いるって話を聞いたような?
会ったことはないけれど、あんなぼんくらと一緒にいるんだから、きっといい子たちだ。
万事屋銀ちゃんという看板を見つけ、階段を上る。
でも何故かインターホンを鳴らしても反応がない。
「ごめんくださーい。」
呼びかけもしかり。
留守かなとも思ったけど、人の気配がするし、中から音も聞こえる。
聞こえてないのかしら。
「ごめんください!!」
「うるっせーよ! 新聞はもういらねーって…! あれ、A?」
「…何してるんですか?」
「スミマセンデシタ。」
どうやら新聞勧誘と間違えられたらしい。
…ちゃんと確認してください。
依頼人だったらどうするつもりなの。
機会損失もいいところよ。
「あれ、銀さんお知り合いですか?」
「銀ちゃん、依頼アルか?」
呆れ返っていると、出てきたのは…大人しそうなメガネの男の子と、真っ白の肌に青いくりくりの目が特徴の可愛らしい女の子。
え、こんな可愛い子たち引き連れてるの?
「あー紹介するよ。こちらA。団子屋で働いてる女。…そんでこっちが、メガネと神楽。」
「いやどんな紹介イイイイ!!」
「本当アル。私はかぶき町の女王、神楽様アル。」
「まあ、女王様なのね。すごいわ。」
「いや僕については!? もうメガネで決定なの!?」
「うるせーよメガネ。」
「ちょっとオオオオオ!!」
思ったより大人しくなかったメガネくんは不満そうな顔で叫び、神楽ちゃんは褒められて嬉しそうに照れている。
控えめに言って可愛い。
「今日はね、お別れを言いにきたのよ。しばらく実家に帰ろうと思って。明日、ここを出るつもりなの。」
「え! A、どっか行くアルか?」
せっかく会えたのに…と寂しがる神楽ちゃん。
何となく罪悪感が湧くが、ごめんねという気持ちを込めて頭を撫でると、気持ちよさそうに目を細めた。
だから可愛すぎかて。
「おめーついに帰んのか。」
銀さんが鼻に小指を突っ込みながら言った。
…汚い。
子どもたちが真似したらどうするの。
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たいる(プロフ) - わかさん» こっちにもコメントくださってたんですね!笑ありがとうございます。笑っていただけて良かったです笑笑 (2021年7月11日 17時) (レス) id: 14bca84003 (このIDを非表示/違反報告)
わか - ミョウバンは笑った!!笑笑 (2021年7月7日 21時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たいる | 作成日時:2021年1月8日 0時