STORY09 可愛い弟 ページ11
私に可愛い弟ができた。
血は繋がってないけれど、一緒にいても全く苦にならないし、何でもしてあげたくなる可愛い可愛い弟。
総悟君の本当のお姉さんはどんな人かしら。
きっと優しい人に違いない。
総悟君は甘え方が上手だもの。
ついつい甘やかしてしまう。
きっとお姉さんも同じ気持ちね。
いつか機会があれば、お会いしてみたいものだわ。
会ったばかりなのに、変なの。
こんなに愛しく思えるなんて。
私ブラコンなのかしら。
すくすく成長する総悟君をこれからも見守って行けたら、と思う。
…弟の成長は、あまり近くでは見れそうにないから。
総悟君は少年のような顔をしたと思えば、急に大人びた表情をする。
何にも興味を示していない顔をして、譲れない大事なものがたくさんある。
…ちぐはぐな人だと思った。
きっと私じゃわからないような苦労をたくさんしてきたんだ。
上司の土方さんなんていい例だ。
いつも愚痴を吐いているけれど、その顔は本気で心底嫌だという顔じゃない。
それにその人への悪戯を考えているときはとても楽しそうなのだ。
きっといい上司で、なんだかんだ言って信頼してる、総悟君の大切な人の1人。
…素直じゃない。
そんな沖田君の行動の、どれもこれもが可愛くて仕方がない。
「Aちゃん、どうした? 具合悪いんか?」
「あ…おかえりなさいおばあちゃん。ごめんなさい、考え事してました。大丈夫ですよ、ありがとうございます。」
可愛さに悶えていたら、おばあちゃんに心配させてしまった。
気をつけよう。
おばあちゃんは団子屋の奥さんで、血は繋がってないけれど本当の孫みたいに可愛がってくれるあったかくて素敵な人。
おじいちゃんは気難しいところもあるけれど、職人資質なだけで本当はとても優しい人。
どちらも私のことを家族の一員として迎えてくれた、大事な人だ。
「あれだ、おめえさん恋煩いでもしてんだろ。さっきの色男に。」
「なっ…。」
おじいちゃんの言葉のせいで身体が火照る。
熱い。
…暑い。
「おやおや、そうなのかい? 見たかったわぁ、Aちゃんのお相手の色男!」
にっこにこのおばあちゃんは可愛いけれど、そうじゃない。
「違いますよ! あの子は私の弟みたいな感じなんで…!」
「ほぉ、さっきの色男としか言ってねーが、どいつかわかったんだな。」
「もう〜! からかわないでくださいよ!」
本当、暑い。
本当に本当に、弟なんです。
_____ただの、弟ですよ。
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たいる(プロフ) - わかさん» こっちにもコメントくださってたんですね!笑ありがとうございます。笑っていただけて良かったです笑笑 (2021年7月11日 17時) (レス) id: 14bca84003 (このIDを非表示/違反報告)
わか - ミョウバンは笑った!!笑笑 (2021年7月7日 21時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たいる | 作成日時:2021年1月8日 0時