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シャオさんが瞳を潤ませながらリビングを出て行くと、今度はお風呂上がりのチーノくんがやってきた。
ci「Aさーん。今ちょっと良いですか？」
「どうしたの、チーノくん？」
ci「お願いがあるんですけど…」
「もしかして髪乾かすの？良いよ」
ci「正解です！Aさん、よろしくお願いします！」
チーノくんはそう言って、私が手招いているのに気付いて私の前に座った。
ドライヤーの電源を入れると、チーノくんの綺麗な空色の髪を乾かし始める。
「チーノくんとの出会いは近所の犬たちに追い駆けられてたよね」
チーノくんに初めて助けを求められた時、まさか近所のチワワとポメラニアンに追い掛けられているとは思いもしなかった。
あんなにも愛くるしい小型犬たちに追い掛けられている姿は忘れられない。
「俺からしたら、ただ格好悪いだけの話なんですけどね…」と言って、チーノくんは不貞腐れ気味に言った。
ci「海に行った時にAさんから貰った貝殻、俺W国に持って帰ってずっと大事にしますからね」
「あの貝殻気に入ってくれたんだね、良かった」
「はい、とても！」と、チーノくんが屈託の無い笑みを浮かべながら答えた。
ci「あの、Aさん。最後に一つ聞いても良いですか？」
「何？チーノくん」
…この流れはもしかしてロボロさんとシャオさんに続いて、またコネシマさんとのことを聞かれるのだろうか。
ci「コネシマさんとはどういうご関係で…？」
やっぱり予感は的中した。
「…コネシマさんとは何も無いよ」
ci「えっ、本当ですか！？」
「うん、本当だよ。チーノくん」
「絶対コネシマさんとAさんは付き合ってるなって思ってたのに…！」と、チーノくんはそれはもう残念そうに嘆いた。
「…いや、何かご期待に添えられずでごめんね」
私がチーノくんに謝ると、「Aさんは謝らないでください！」と何故かチーノくんに逆ギレされた。
「チーノくん、髪乾いたよ」
「ありがとうございます、Aさん！」と私に礼を言うと、チーノくんは立ち上がった。
ci「俺、Aさんに出会えて良かったです！」
「私もチーノくんに出会えて良かったよ。チーノくん、W国に帰っても元気に頑張ってね」
ci「もちろんです！Aさんも仕事を頑張りすぎて、無理しすぎないように気を付けてくださいね」
「…出来るだけ努力はするよ」と私が答えると、チーノくんは苦笑した。
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