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rbr視点
Aさんから貰った地図を広げながら目ぼしい場所を探してるところや。
どうやって探すのかって?W国で開発した機械が力のある場所を見付けると反応するって言う仕組みや。
…詳しいことは国家機密になるから話せん。
俺は手始めに近所にある公園に行ってみた。
公園を見渡すと子供たちが遊んでたり、音楽に合わせて体操をしている人、走ってる人たちがいた。
機械が反応せんかったから、目的の場所はここには無さそうや。
次に向かった先は神社や。
W国と繋ぐ力が必要やったら長閑な公園よりも、神様を祀ってる神社の方が強そうやん。どうや?
…機械は残念ながら反応せんかった、なんでや。
rbr「くそっ、一体どこにあるんや!!」
Aさんの家の周辺には、W国と繋げられるようなそれらしき場所は無い。
rbr「うーん、近くの公園は違う。この辺にある神社も違う」
「もしかしてここか…?」と、一箇所気になる場所を見付けた。
正直半信半疑やけど移動することに決めた。
仮にもしそこがあかんかったら、今日は一旦切り上げて家に帰ることにしよう。
徒歩ではやや距離があって時間が掛かってしまうから、Aさんから貰ったお金で電車に乗り込んだ。
切符の買い方は、前にAさんと買い物に行った時に覚えたから大丈夫や。
しばらく電車に揺られると、行き着いたのは海。
辺り一面、海。海。海。
W国は海に面してないせいか、目の前に広がる景色は珍しく見えた。
機械は確かに海に向かって反応しとるようやけど、それにしては反応が弱すぎる。
rbr「もしかして、この海の中か…?」
俺は意を決して上の服を砂浜に脱ぎ捨てて海の中に潜ると、機械がさっきと比べて激しく反応を示しとった。よっしゃ、当たりや。
俺の息が限界を迎える前にすぐに海から出ると、髪に含まれてる水を振り払うように身震いを立てた。
「そこの君、まだこの時期は海の中に入っちゃ駄目だよ!」と通りすがりの人に声を掛けられてしもた。
rbr「す、すいません!もう出ます!」
俺は平謝りをすると、砂浜に置きっぱなしにしていた荷物を拾い集めて逃げるように木陰に隠れた。
rbr「目的の場所は見付かったし、今日の成果は上出来やな。帰ったら報告せんと」
鞄の中に入ってたタオルで身体と髪を拭いて、髪と服が乾くまで俺はしぱらくぼんやりと海を見とった。
rbr「あともう少しやな…」
Aさんには悪いけど、俺は国の為に全員を還さなあかんのや。
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