sugar13.土方十四郎 ページ13
『……んで、どこ行くか決まったのか?』
隣の運転席でエンジンをかけている彼は、カーナビの女性の声の「ETCカードを挿入してください」の言葉に従ってそのカードを入れていた。
『……決まってない』
『あ? お前がドライブしたいっつったくせに』
「決まってねェのかよ」と眉をひそめてしまう。しかし私は十四郎とドライブがしたいことはしたいのだが、目的は少しだけ別のところにある。
取り敢えず発進した十四郎に、今いる場所から数キロ離れたショッピングモールへ行きたいと伝えた。
『なんか買いたいもんでもあるのか?』
『あー……うん、ちょっと』
苦笑いで返す私を彼は怪訝そうに横目で見てくるため、その視線から逃れようと窓の外へ目線を移す。
車はあっという間にそのショッピングモールに辿り着き、車は駐車場の入り口を潜っていった。そうして駐車スペースを見つけた十四郎は、私の座席の背もたれの頭の部分に手を添え、ハンドルを切って行く。
『……何見てんだよ』
それをガン見していた私を気味悪そうに見てくる切れ長の目。正直に言おうか言わないか、考えている間に車は駐車し終わっていた。
『あのね』
『おう』
『十四郎がね、駐車するとき……こう助手席に手を回すのがカッコよくて……』
身振り手振りを使って説明するも、十四郎は唖然といったように口を薄く開けている。途端に恥ずかしくなった私は、自分のスカートを軽く握りしめて俯いた。
『だからお前、ドライブなんか行きたいっつったのか?』
『……まあ』
バカな女だと思われてしまっただろうか。鼻からため息のように呼吸をした十四郎は、車のエンジンを切る。そうしてドアを開け、一人で出ていってしまった。
やってしまった、と落ち込み始めた私だが、不意に助手席のドアが開けられる。
『ほら、早く出ろ』
『飲み物買ったらこのまま海行くからな』
そう言って私の腕を引き、車から出す。駐車場にあった自販機で飲み物を買って、モール内には入らずに車に戻った。
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ハル(プロフ) - なな天パさん» いいえ〜! ね、本当に教師との恋愛って憧れるけど実際どうなのかなー、と考えながら作った結果がなんだこれって感じになってしまったのですが、そう言ってもらえるととてもありがたいです(´ ∀`) 閲覧とリクエスト、ありがとうございました (2018年1月6日 11時) (レス) id: 645308de9c (このIDを非表示/違反報告)
なな天パ(プロフ) - ハルさん» リクエストを受けて下さりありがとうございます!夢主ちゃんが冗談が嘘って言った後の松陽先生の確認の行動が可愛かったです。あと、最後、二人でひとつのブランケットって言うのがすっごい良かったです。全部ひっくるめて最高でした!本当にありがとうございます!! (2017年12月30日 20時) (レス) id: 63c427bf32 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 紫蘭さん» 儚すぎて書き終わった瞬間に「ううん」と首を捻ってしまうくらいのあれですね……(;´д`) バイオバザードとかやってたんですか? それはそれでいいクリスマスだと思いますよ!自分の好きなことをするのが一番です! こちらこそ閲覧ありがとうございました( ´ ∀`) (2017年12月30日 11時) (レス) id: 645308de9c (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 銀皐月さん» まじか!ありがとう!! もうハルとして見てもいいよ笑 どうせそっちも何にも変わらないハルだし笑 うん、頑張るね! あっちでも夢書きやってるから、また時間があったら見に来てくださいな(^人^) ありがとう (2017年12月30日 11時) (レス) id: 645308de9c (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 儚いのがまた良いですね。私好みです笑 ちゃんとクリスマスになってますよ!!こんなクリスマス…羨ましいです…。私なんて、前日も当日もゾンビから世界を守ってましたから笑 でもハルさんのお陰で最高のクリスマスになりました!!ありがとうございます! (2017年12月27日 15時) (レス) id: 684ce788b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年9月5日 18時